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【主張】アフガン和平 政府とタリバンの対立解消が重要
2001年9月11日の米国同時多発テロが引き金となって始まった「テロとの戦い」。その主戦場であるアフガニスタンでの18年間にわたる戦争が、終結に向けて動き出した。米国とアフガンの反政府武装勢力であるタリバンが和平合意に署名したためだ。
しかし、これがアフガンの治安状況の改善と復興につながるとは到底言えない、厳しい情勢にある。アフガン政府とタリバンとの武力衝突が収まる気配がみられないのだ。米国は引き続き、アフガン政府とタリバンの対立解消に向けた交渉を、粘り強く進める必要がある。
米国とタリバンの和平合意では、アフガン政府がタリバンの捕虜を最大で5000人、タリバンがアフガン政府軍などの捕虜を最大で1000人解放すると明記されている。しかし、アフガンのガニ大統領は、寝耳に水とばかりにこれを拒否。タリバンもガニ大統領の姿勢に怒りをあらわにし、アフガン政府軍に対する戦闘の再開を表明した。
タリバンは今回の合意を守り、アフガンに駐留する外国部隊には攻撃しないという。また、9.11テロの首謀者とされた国際テロ組織「アルカイダ」をかくまったため、タリバンは「テロとの戦い」の攻撃対象とされたが、今回の合意を受け、アルカイダなどのテロ組織と関係を断つことも約束している。
だからといって、米軍がアフガンからの撤退を進めるのは、時期尚早である。内戦状態に突入しようとしているアフガンを見捨てるようなことは、あってはならない。
米国は和平合意の実現を急ぎ、タリバン側への根回しに注力するあまり、アフガン政府への説明が不十分だったとの指摘もある。今回の合意を踏まえ、今月10日からアフガン政府とタリバンとの和平協議が始まるが、この成功なくして、アフガン戦争は終わらない。米国は、アフガン政府とタリバンの信頼醸成に全力を挙げて取り組むべきだ。
長きに及ぶ戦争で疲弊したアフガンの国民生活の再建に日本もさらに貢献したい。アフガンには石油、ガス、鉄鉱石、銅などの天然資源が眠っている。その資源開発のための技術支援などで日本ができることも多いだろう。









