ニュース
核廃絶へ留学生ら討論
13カ国出身約30人が参加
長崎市 国立追悼平和祈念館主催
日本や韓国、マレーシアの大学などで学ぶ13カ国出身の学生を招き、核廃絶に向け討論する平和事業「ユース・カンファレンス・イン・ナガサキ」が2月10日から3日間、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(長崎市)で開催された。同祈念館が主催。約30人が参加した。初日は公明党市議団が会場を訪れ、学生を激励した。
3日間の日程を終え、平和に向けた個人の目標を掲げる参加学生ら
平和事業は、2010年度からアジアと長崎の学生を招いて毎年実施しており、今年は韓国、マレーシアと長崎の大学生に加え、日本の大学に通う南米や欧州、アフリカなどの留学生が参加し、計13カ国約30人が集った。
参加者は初日、原爆資料館などを見学。その後、被爆者の山脇佳朗さん(86)の体験講話に耳を傾け、「遠い存在と捉えていた核兵器の脅威が“身近”に感じられた」などと感想を寄せた。創価大学大学院修士課程2年のアンキタ・セガルさん(インド出身)は「被爆者の講話はネット中継し、世界中の人に聴いてもらうべきだ」と提案した。
2日目からは、長崎大学核兵器廃絶研究センターの中村桂子准教授らと共に、「核兵器をなくすために何ができるか」をテーマにグループ討論が行われた。
利己主義の克服などで意見交換
この中では何人かの学生が「利己主義の克服」の必要性に言及。国際基督教大学2年のイヴィ・イーさん(中国出身)は「核保有は自国の利益のためとはいえ、使えば経済的にも自国の不利益と世界の破壊を生む」と述べ、「どの国にも、他国の苦しみを自国のように思える心や考えを広げていくことが大切」と熱弁した。このほか教育環境の充実や、政府やNGO、市民がつながり協調体制を広げる運動、SNSを通じ平和を訴える取り組みを重視する声も相次いだ。
「核廃絶は当初、難しいと考えていた」と話す立命館アジア太平洋大学3年のサザレン・エーデンさん(オーストラリア出身)は、「各国の意識の高い学生と話す中、平和への思いが強まる自分がいた」と対話による触発を体感した。
一方で、「日本に良い印象が最初はなかった」と打ち明けてくれたのが、韓国から参加したウォン・ジンウさん。韓国とマレーシアから訪日した学生は初日の2日前から長崎入りし、ホストファミリー(受け入れ家族)の家で宿泊したが、ウォンさんは長崎の家族が温かく接してくれる姿に触れ、「日本が好きになった。互いの良さを知る友好から平和は生まれる」と語った。
「たとえ数人でも、ここから平和に向け積極的に動く人が出てくれば世界にとって大きな影響だ」(創価大学大学院修士課程2年のエスター・ギャレットさん、イギリス出身)との意見も。今年は原爆投下から75年。今回、長崎で試みた取り組みは参加学生のみならず長崎、日本にとって、大きな可能性を示す意義があった。










