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2020年3月1日

新型肺炎 経済の不安払拭へ全力

党対策本部長 斉藤鉄夫 幹事長に聞く 
雇用調整助成金 資金繰り支援など 
現場の声から拡充策訴え

2020年度の政府予算案が2月28日の衆院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、参院に送付されました。これには景気を下支えする施策が数多く盛り込まれていますが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、一層の対策が求められています。公明党新型コロナウイルス感染症対策本部長の斉藤鉄夫幹事長に取り組みを聞きました。

党対策本部長 斉藤鉄夫 幹事長

――新型コロナウイルスによる経済への影響は。

斉藤鉄夫幹事長 幅広い業種で影響が出始めています。私が本部長を務める党新型コロナウイルス感染症対策本部は、26日に観光業界、27日に経済団体と会合を開き、現場の実情を詳しく聞き取りました。

それによれば、大打撃を受けている観光業で、予約キャンセルが中国人旅行客に加え日本人旅行客にも広がっており、売り上げ減少による経営の苦しさを訴える声が上がりました。

中国での工場の稼働停止や国内のイベント中止により、製造業や小売業などにも影響が広がっています。

――公明党はどう取り組んでいますか。

斉藤 公明党は2月6日、政府に緊急提言を行い、政府は19年度予算の予備費などを活用し、総額153億円の緊急対応策を打ち出しました。中小企業への資金繰り支援も5000億円規模を確保しています。

また党対策本部は、刻一刻と変化する現場の実情を踏まえ、27日に改めて政府へ緊急提言を行いました。

経済面では、観光業界や経済団体から要望が多かった雇用調整助成金の特例措置について、中国人旅行者の減少による影響に限定されている支給対象の要件を緩和するよう要請しました。これについて政府は、日本人客のキャンセルにも適用できるよう検討していると聞いています。

また提言では、中小企業向けの特別融資枠について、上限の引き上げなど資金繰り支援策の拡充も訴えました。景気下振れリスクに対応するため、大型の経済対策の第2弾が必要と考えています。

――ほかにどんな要望が寄せられていますか。

斉藤 風評被害を防ぐため、科学的根拠に基づく正確な情報を迅速に発信することや、入手が困難になっているマスクおよび消毒液の安定的な供給、経済対策が盛り込まれた20年度予算案の早期成立を求める声などが上がっています。学校の休校に伴う保護者の休業補償も必要です。

党対策本部は、関係団体へのさらなるヒアリングや、各地の地方議員が地元企業などから吸い上げた声を基に対策を検討し、今週中にも改めて経済対策第2弾の内容も含め政府に要望する予定です。現場の実情を政策にしっかりと反映させ、感染症拡大の早期終息と経済の先行き不安の払拭に全力で取り組みます。

20年度予算案が衆院通過 防災・減災、ポイント還元で景気を下支え

20年度予算案に計上された経済対策の主な内容

28日に衆院を通過した20年度予算案は、一般会計総額102兆6580億円に上り、その柱の一つは、経済対策の着実な実施です。年度内の成立が確実となり、景気を力強く下支えすることが期待されています。

具体的には、災害から国民の生命と暮らしを守る「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」(18~20年度)に1兆1432億円を計上。洪水を防ぐ河川の堤防整備や農業用のダムや水路の強靱化、学校・医療施設の耐震化を進めます。

消費税率引き上げ対策として実施しているキャッシュレス・ポイント還元事業には2703億円を充て、今年6月まで実施します。

また、9月からマイナンバーカードの保有者にポイントを付与する事業費として2478億円、一定の条件を満たした住宅購入者に最大50万円を給付する「すまい給付金」の費用として1145億円が計上されています。

日本経済を支える中小企業・小規模事業者の支援も拡充します。生産性向上に向けた取り組みを後押しするため、専門家による相談体制を強化するほか、中小企業にAI(人工知能)を導入するための人材育成を推進します。

後継者問題への対策では、事業承継の障壁となっている経営者保証を不要とする「新たな信用保証制度」を創設。後継者不在の中小企業には、マッチング支援によって第三者承継を後押しする予算も計上されています。

機敏な対応で国民生活守れ

野口旭 専修大学経済学部教授

今回の予算案は、消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要の反動減への対応など、必要な対策が網羅された妥当な内容だと評価しています。

自然災害や暖冬による景気・経済への影響が一定程度表れており、国民生活を守るためにも一日も早い予算案の成立とともに、速やかな執行に万全を期すべきです。

2019年10~12月期のGDP(国内総生産)の失速や、個人消費の落ち込みが想定を上回ったことは、真摯に受け止める必要がある一方、国内での新型コロナウイルスによる影響は全く想定外の出来事です。この“コロナショック”の影響拡大については、東日本大震災の時に何度も補正予算を組んで対応したような事態に追い込まれかねません。

今後は、市場経済を下押しするリスクの発生が懸念されます。特に、中国からのインバウンド(訪日外国人客)効果は、日本経済において相当大きく、損失は免れません。製造業に関しても、中国からの一部製品の供給が滞り影響が出始めています。観光業の落ち込みへの対策と併せ、一時的な資金繰りに苦しむ企業などに対し下支えする対策も必要でしょう。

内需においても、6月で終わるキャッシュレス決済によるポイント還元制度などの施策に関し、規模の拡大や延長の検討をするのも必要ではないでしょうか。

政府・与党には、年度内の予算案成立が確実となったことを一区切りと捉え、経済全体への影響に目配せし、手遅れとならないよう機敏な対応策を進めてもらいたいと望みます。

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