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2018年7月5日

輝き取り戻す被災地

九州北部豪雨から1年

大きな爪痕を残した九州北部豪雨から、きょう5日で1年――。未曽有の災害を乗り越えた住民たちは、力強く復興への歩みを進めている。輝きを取り戻しつつある被災地の今を追った。(九州支局)

心の復興、祭りとともに
大分・日田市

祭りの準備に集まった港町の住民からは明るい笑顔がこぼれる

被災地に“夏の風物詩”が戻ってくる――。

九州北部豪雨により、地域一帯が浸水などの被害を受けた、大分県日田市港町では現在、住民の手によって、約300年続く伝統行事「日田祇園祭」の準備が進められている。

昨年は、同行事がユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」の一部に登録され、記念の年となるはずだった。ところが、豪雨の影響により、祭りの主役である「山鉾」が集う「集団顔見世」は中止を余儀なくされた。祭りは規模を縮小し、辛うじて開催にこぎ着けたものの、同町の山鉾振興会長を務める櫻木光生さん(69)は、「亡くなった人がいる中で、開催していいものかと思い悩んだ」と当時の心境を振り返る。

あれから1年、今年は今月19日の「集団顔見世」を含め、21、22日の日程で祭りの開催が決まっている。土日には、地域の住民らが集まり、祭りに使うわらじや、山鉾の装飾作りに精を出す。未曽有の災害を乗り越えてきた住民らは、「祭りを通して、みんなに『元気を出そう』と語り掛けたい」と復興への思いを口にしていた。

「目に見える復興は着々と進んでいます」と住民らが語る通り、豪雨の影響で線路が寸断され、運行を中止していたJR久大本線も今月14日に全線が開通予定。祭り当日には、市内外から多くの人が訪れる。

にぎやかな祭りによって被災地に活気が戻り、目に見えない“心”の復興がより一層進むことを願いたい。

陶器に込めた感謝の思い
福岡・東峰村

 

福岡県東峰村は、九州北部豪雨によって約250世帯が孤立するなど甚大な被害を受けた。今なお豪雨の痛々しい爪痕が残る同村だが、そこには復興へ向けて力強く前進する人々の姿があった。

大きな窯で陶器を作る「秀山窯」の3代目当主、里見武士さん

「雨にも自分にも負けずに、良い作品を作らないと」。そう語るのは、小石原焼の窯元「秀山窯」の3代目当主、里見武士さん(42)だ。自然が豊かな同村は、伝統工芸品「小石原焼」の産地として有名で、その歴史は約400年を誇る。だが、昨年の豪雨の影響で、同村にある窯元約50軒のうち半数が被災。里見さんも、家の近くの水路が溢れ、鉄砲水で小屋が流された。陶器を作る窯がある作業場もドアが破れて浸水。大量の土砂は窯の土台部分にまで達し、一時は焼き物も作れなくなった。

作業場では、職人が丁寧な手つきで陶器に模様を刻む

ボランティアや地域の人などと協力しながら復旧作業に取り組み続ける中、里見さんは一つの目標を掲げた。「村の復興を進めるためにも、秋の祭りまでに生産を間に合わせたい」。その後、窯の土台を担う、れんがの入れ替え作業などを進め、里見さんは少しずつ焼き物の生産を再開していった。そして迎えた昨年10月の「秋の民陶むら祭」。大勢の来場者でにぎわう会場には、里見さんが作った陶器が並んだ。

現在、同村の小石原焼の生産はほぼ回復しているという。里見さんは、「1年間、多くの人に支えてもらった。感謝の気持ちを一個一個の作品に込めていきたい」と笑顔で語っていた。

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