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2020年2月27日

コラム「北斗七星」

司馬遼太郎が21世紀に伝えたかった一文がある。「医師がこの世に存在している意義は、ひとすじに他人のためであり、自分自身のためではない。これが、この業の本旨である。ただおのれをすてて人を救わんことをのみ希うべし」◆幕末、大坂に適塾を開いた蘭方医の緒方洪庵が「医戒」の冒頭に掲げたものだ。『花神』(新潮文庫)にある。洪庵やその弟子のように、自分の技術を人の命を救うために使ってほしいとの思いが司馬にあったと、歴史学者の磯田道史氏は指摘する(「『司馬遼太郎』で学ぶ日本史」NHK出版新書)◆新型コロナウイルスの感染に対処した災害派遣医療チーム(DMAT)らの医師や看護師が任務後、職場で不当ないじめに遭っている。自分自身のためではない。人のため身を危険にさらしたのに、だ。日本災害医学会が抗議の声明を出した◆DMATらはチャーター機で帰国した人やクルーズ船の乗客・乗員の健康管理に従事。重篤な人の診療、搬送も行った。ところが、戻った職場でばい菌扱いされ、管理者から謝罪を求められるケースも。登園自粛を要請された子息もいたと聞く◆感情は時として人の心をゆがめる。感染が急速な拡大へと向かうか、収束できるかの瀬戸際である。いたずらに不安を煽るのは許されまい。今は技術、施策を“総動員”し闘う時だ。(田)

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