ニュース
プロのキャンプ地 春らんまん
南国にファン呼び込む
野球8球団、サッカー19チーム
多種目、大学生、社会人も誘致
宮崎県
南国・宮崎の春は、スポーツのキャンプから――。今月から宮崎県内各地で、野球やサッカーなどプロスポーツチームのキャンプが展開されている(3月7日まで)。公明党宮崎県議団の河野哲也団長、重松幸次郎、坂本康郎の各議員がこのほど、宮崎市内の「サンマリンスタジアム宮崎」を視察した。
「サンマリンスタジアム宮崎」の敷地内には河津桜が咲き誇り、訪れた観客に春を感じさせてくれる。この球場で練習するのは、プロ野球の球団で初めて宮崎キャンプを開始した読売巨人軍だ。1958年から実施し、今年で62年目を迎えた。巨人を皮切りに宮崎県内でキャンプを実施するチームは増え続け、現在は野球だけでなく、サッカーチームなども利用するようになった。今年は県内10市でプロ野球8球団、プロサッカー19チームが実施。観客数は延べ85万人(2018年度)に達している。
県作製のパンフレットに「(宮崎の地で)選手としての基礎を培ってきた」(阿部慎之助・2軍監督)、「宮崎キャンプから始まるチーム内の厳しい競争を勝ち抜かなければならない」(井上真二・3軍監督)とある通り、宮崎キャンプは、選手にとって自分の能力をアピールする絶好の機会。一方、ファンにとっても、選手を間近で見られることが醍醐味だ。今年は、夏に東京五輪・パラリンピックを控え、例年より1週間早い3月20日にプロ野球公式戦が開幕するため、各選手は体調を万全にしようと調整を急ぐ。
県観光推進課スポーツランド推進室の飯塚実室長は、「キャンプ地周辺には、お出掛けスポットがたくさんある。地元の食べ物もぜひ、味わってほしい」と呼び掛ける。今後、県はプロスポーツチームだけではなく、大学生のクラブチームや社会人実業団の誘致にも力を入れるほか、多種目化に取り組んでいくという。
駅舎を球団のイメージに装飾
プロ野球チームのロゴなどで装飾した駅舎。キャンプ地としての知名度を高めることが期待される
日南市では、キャンプ地としての知名度を高めるため、プロ野球の球団名を付けた駅舎が完成し、注目を集めている。同市南郷町を埼玉西武ライオンズがキャンプ地としていることにちなみ、今月、JR南郷駅が「ライオンズ南郷駅」にリニューアル。地元高校生らが中心となってインターネットで改装のための資金を募ったところ、約4カ月間で409万円が寄せられ目標の300万円を上回った。
また、18年からはキャンプを展開する広島東洋カープが日南市油津のJR油津駅が「カープ油津駅」として改装され、カープファンに親しまれている。
公明党宮崎県議団は、キャンプの誘致について、重松議員が19年12月の議会質問で屋内型のトレーニングセンターの建設を訴えるなど、一貫して後押ししてきた。「サンマリンスタジアム宮崎」を視察後、河野団長は「宿泊地の確保や交通インフラの整備など、県外からの観光客がより訪れやすい環境を整備していきたい」と語った。