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【主張】新型肺炎対策 新たな局面。医療体制の強化急げ
新型コロナウイルスの感染拡大を抑え、収束に向かわせねばならない。
政府は16日、新型肺炎対策に関する専門家会議の初会合を開き、感染症に詳しい医療関係者から意見を聴取し、対策を協議した。
会議では、現在の状況について「国内発生の早期」との認識で一致した。感染が広がり続ける「流行状態」には至っていないとしたが、さらなる拡大を想定すべき局面に入ったことは確かだ。一段と警戒を強めていく必要がある。
焦点となるのが、水際対策に加え、患者を早期に発見し受け入れる医療機関や相談体制の整備である。
政府は既に、保健所などに設置した相談センターの電話窓口を24時間対応に拡充し、患者用の病床を全国で1800床以上用意する方針を明らかにしている。自治体とも連携しながら迅速な対応を強く求めたい。
国民にとって最も迷うのは、相談や受診をするタイミングであろう。
そこで厚生労働省は17日、相談センターに問い合わせる目安を公表した。
これによると、風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続いたり、インフルエンザよりも強いだるさや息苦しさがあったりした場合は、電話で相談センターに連絡すべきだとしている。
ただ、高齢者のほか糖尿病や心不全などの持病を抱えている人は重症化しやすいとされる。このため目安では、こうした肺炎リスクの高い人や妊婦に対して、同様の症状が2日程度続いたら連絡するよう勧めている。
世界保健機関(WHO)が患者の8割は軽症としていることから、まずは重症患者が適切な医療を受けられることが重要だ。厚労省が目安を示した一つの狙いも、この点にあると言えよう。
国民レベルでの予防策は風邪やインフルエンザの対応と変わらない。手洗い、うがいの励行と咳エチケットを徹底したい。何より、十分な栄養と睡眠をとるなど体調管理に努めることが重要だ。
厚労省は、発熱など風邪の症状があれば学校や会社を休むよう呼び掛けている。自分を守り、人にうつさない努力を怠ってはなるまい。