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【主張】災害時の避難所運営 女性の意見、反映が不十分だ
きょう11日は、東日本大震災の月命日。8年11カ月前のあの日に抱いた自然災害への痛憤を呼び起こし、防災への意識を高める1日にしたい。
巨大災害が頻発する時代となり、常に懸案事項に上がる一つが、被災者が身を寄せる避難所のあり方だ。
内閣府の検討会は現在、3.11を機に2013年に策定した「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」の見直しを進めている。現行の指針の柱の一つに、女性や子育て家庭の視点を取り入れた避難所運営が明記されているが、地域によって徹底できていない実態があるからだ。
昨年の台風19号の被災地でも、授乳できる場所がなかったり、生理用品が不足するなどの事態が起きたが、同様のケースはいまだに後を絶たない。指針の趣旨が必ずしも自治体などの対策に反映されていない原因はどこにあるのか。この点に焦点を当てた見直し論議を求めたい。
ここで重視すべきは、防災対策についての意思決定の場に女性の参加を一段と進めることではないか。
東京大学の大沢真理教授(当時)らが18年2月に行った調査によると、自治体の防災計画の策定などを行う「防災会議」に女性委員が参画する割合が高いほど、生理用品やアレルギー対応食、洋式トイレといった物資の備蓄率が高いことが分かっている。
ただでさえ厳しい環境の避難所にあって、女性はもちろん、子どもや高齢者にまで配慮したきめ細かい備えをする上で、男女共同参画の考え方が欠かせない。
しかし、都道府県防災会議での女性委員の割合は昨年4月1日現在で16%にとどまり、政府目標の30%に届いていない。市区町村の防災会議も含め、女性委員の登用に本腰を入れるべきだ。
公明党は、党女性委員会を中心に女性の視点を生かした避難所機能の拡充に取り組んでいる。指針見直しに関しても、乳児用液体ミルクの備蓄が各自治体などで進むよう、必要な物資として明記することを求めている。
内閣府の検討会は、今年3月までに指針の改定案を取りまとめる方針だ。自治体に対し、取り組みを強く促す内容にする必要がある。









