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(ニュースな視点)障がい児ケア 家族だけに背負わせぬ社会に
関西大学名誉教授 白石真澄
私の叔父には生まれつきの障がいがあった。叔父が最期まで在宅で暮らせたのは、振り返れば、当時は家族の人数が多く、近くに親戚も多くいたことが大きかったと思う。誰か一人だけが背負うのではなく、身近に手を貸す人がいた。
しかし、平均世帯人員は1953年の5.00人から2023年には2.23人となった。世帯の小規模化が進み、ひとり親世帯も増えている。もはや、家族や親族でケアが分担できることを前提にはできない。
今年、千葉県茂原市で重度の身体障がいがある娘を殺害したとして、長年介護を担ってきた母親が逮捕された。同県成田市では、母親を亡くし、息子と2人で暮らしていた父親が11歳の息子を殺害。「息子を一人で残せなかった」と供述したと報じられた。
いかなる事情でも、親が子どもの命を奪うことは許されない。しかし、こうした事件を親個人の問題だけで終わらせてよいのか。
公明党はこれまで、医療的ケア児支援法の成立を推進し、医療的ケア児支援センターの整備や在宅介護する家族が休息を取れるレスパイトケア、保育・教育現場での受け入れ体制の充実など、家族の負担を軽減する支援を進めてきた。
一方、その基礎となる家族の実態は十分把握されていない。政府は25年4月の国会答弁で、障がい児家庭に占める母子家庭の割合について統計を保有しておらず、障がい児の出生や診断を契機とした家庭の変化、離婚、父親の育児不参加についても実態調査をしたことがないと回答している。
家族構成、就労や所得、ケア時間、孤立の状況、親亡き後への不安などを継続的に把握し、必要な支援へ早期につなげる仕組みが必要だ。ショートステイや日中一時支援、ホームヘルプ、放課後等デイサービスなど家族を支える制度はある。
大切なのは必要な情報を家庭に確実に届け、利用につなげることだ。制度があっても、地域によっては受け入れ先が限られ、利用できないこともある。
家族の形が変わった今、支援の形も変えなければならない。障がいのある子どもと親の人生を、家族だけに背負わせない社会をつくりたい。









