公明党トップ / ニュース / p513635

ニュース

2026年9月11日

コラム「北斗七星」

詩人にして童話作家の宮沢賢治は130年前、「明治三陸地震津波」が起きた1896年、岩手に生まれた。病で世を去ったのは「昭和三陸地震津波」が発生した1933年である◆二つの震災に挟まれた時代を生きたからか。自然災害が相次ぐいま賢治の言葉は心に響く。「世界が全体に幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」。『農民芸術概論綱要』の一節が宮城県石巻市の旧大川小学校のコンクリート壁画に残る。東日本大震災の大津波で、児童74人と教職員10人が犠牲となった学校だ◆壁画は、震災前の卒業制作で賢治の童話『銀河鉄道の夜』の絵と一緒に描かれた。<雨ニモマケズ/風ニモマケズ>の詩もあるが、雨と風の文字が欠け、津波の破壊力を物語る◆銀河鉄道の隣では民族衣装をまとった各国の子どもが仲良く手をつなぐ。児童たちは、世界の平和と幸福を願う思いを受け継いでいたのだろう。学校の事前防災の不備で子どもたちの命が失われたことに胸が痛む◆同小6年生だった次女のみずほさんを亡くした佐藤敏郎さん(63)は語り部として訴える。「みんなが助かって喜ぶハッピーエンドが防災だ」。救えたはずの命と向き合いたい。きょうあの日から15年6カ月。(川)

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア