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2026年8月17日

【論壇】資源乏しき日本の針路

工業製品・IT輸出で勝負 
研究費増や理系教育に注力を 
国土学総合研究所所長 大石久和

米国とイランの紛争を経て、中東からの石油輸入が大幅に減少したことなどで、わが国がいかに資源小国なのかと改めて実感させられた。石油だけではなく、他の鉱物資源もレアメタル(希少金属)も、ほとんどを海外からの調達に依存している実態に戦慄を覚えさえするほどである。

それでは、日本は何によってこうした物資の調達資金を稼ぎ、国民の生活水準を維持向上させるための原資を獲得できるのかを考えると、他国以上に優れた工業製品やITなどの発明品を開発して輸出していくしかない。その競争力は今後も維持されていくのかについて、大いなる不安が進行中だが、それに対するまともな政策論議がないまま、時間だけが経過している。

英国の「ネイチャー」は世界でも最も権威のある科学誌であるが、2017年に日本政府の政策を批判し、「イノベーション(技術革新)を重視する一方で、基礎研究への資金を削っている」と指摘した。国立大学法人化後、大学予算が毎年減少してきたこと、理化学研究所の予算が10年で20%以上削減されたことも問題視した。

その他の指摘も、まとめると次の通り。

〇日本論文の国際的地位低下(引用される論文の世界シェアが急減)。
〇基礎研究の弱体化(大学の基礎研究費削減、競争的資金への依存)。
〇若手研究者の雇用不安(任期付き雇用による長期的、独創的研究が困難化)。
〇研究者の事務負担増(事務作業に忙殺され、研究そのものに使える時間が減少)など。

これらの指摘を見ても、日本がいかに科学技術振興をないがしろにしてきたのか明らかだ。

また近年、年間の博士号取得者数(法文系より理工系がかなり多い)の各国比較を見ても、日本の1.5万人に対して、米国9.5万人、ドイツ2.7万人、英国2.5万人などと日本より多く、人口比で見るとさらに日本の劣位が明らかだ。

産経新聞客員論説委員の河合雅司氏によると、日本の高校・大学には、世界と比しても履修分野の大きな偏りがあり、24年で見ると、日本の高校では理系が27%であるのに文系は47%。大学では理工農系22%、人社系46%となっており、世界最低の理系のレベルなのだ。

さらに、文部科学省は何を考えたのか、1963年は12単位、約420時間を費やしていた高校理科の授業時間を、2013年は4~6単位、140~210時間へと半減以下にしたのである。

資源小国・日本は、何を武器に世界と闘おうとしているのか。専門性に優れた能力ある日本人を育成していく以外に闘う道具はないのではないか。

それができていないために、科学技術論文が引用される数も、1人当たりGDP(国内総生産)も韓国に抜き去られ、スイスのビジネススクールIMD研究所が発表する国の競争力を示す指数も韓国の後方に位置して、経済競争力も大きく劣後している。日本政治はこの情けない状況を理解できているのだろうか。

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