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2026年8月17日

船舶で初の医療提供

熊本地震で熱中症や軽傷を治療
公明が法整備への道開く

7月28日に最大震度7を観測した「令和8年熊本地震」では、熊本県八代市や宇城市を中心に多くの医療機関が被災し、いまだ断水が続く施設も多い。政府は今月5日から同県で防衛省のチャーター船を活用して医療提供などを実施している。公明党の推進で2021年に成立した「災害時等船舶活用医療提供体制整備推進法」(議員立法)に基づく初の取り組みだ。

公明党「令和8年熊本地震災害対策本部」の秋野公造本部長(政務調査会長)らは11日、八代港に停泊しているチャーター船「はくおうⅡ」を視察した。「被災者の皆さんのために貢献したい」――。現地スタッフの固い決意の下、同船で行われている医療提供と入浴支援が避難生活を送る人の心と体を温かく支えている。

15日の厚生労働省のまとめでは、被災した県内の医療施設は最大92施設で、うち八代市が26施設、宇城市が14施設に上る。いまだ多くの人が避難生活を強いられる中、災害関連死の防止などの観点から、医療アクセスの確保は喫緊の課題。こうした中、注目を集めるのが船舶を活用した医療支援だ。

はくおうⅡは、手術室や集中治療室などを備えた医療専用の船ではないが、船内の一部を活用して医師や看護師、薬剤師が発熱などの内科診療をはじめ、熱中症や軽傷の治療、薬の処方、健康相談などに対応する。

■断水に対応、入浴や宿泊支援も

また、入浴支援として被災者が予約制で入浴できる大浴場があり、被災者の心身のケアにつなげるほか、18日から食事付きの宿泊支援も始まる。内閣府担当者は「地震で医療機関が再開できない現状があり、船舶の医療提供を通じて災害関連死を防ぐ一助になれば」と期待を寄せる。

船舶を活用した医療提供を巡り公明党は、長年にわたり、いわゆる「病院船」の導入に向けて尽力してきた。「災害で命を落とす人を一人でも減らしたい」。その確固たる決意が、公明議員を動かす原動力だった。

病院船導入は、かつて阪神・淡路大震災の際に浮上したが、各省庁の思惑の違いから、いつしか立ち消えに。11年の東日本大震災で陸路が寸断され、海上からの医療支援の必要性が改めて浮き彫りになり、再び導入への機運が高まった。

公明党は同年5月に発表した「東日本大震災復旧復興ビジョン」への明記を皮切りに、12年4月には党内でプロジェクトチームを始動させ、議論を本格化させた。

■既存の船舶活用し建造費の壁を突破

だが、専用船を新たに建造するには最大350億円が必要と試算されたことで政府側の動きは停滞。それでも公明党は諦めず、ゼロから造るだけではなく既存の船舶を活用する方法などを検討し、提案した。その後も現場視察などを重ねながら、法整備に向けた与野党の議論をリード。コロナ禍で病院船を求める機運の高まりも追い風に、災害時等船舶活用医療提供体制整備推進法が21年に成立した。そして26年1月、同法に基づく船舶を活用した医療提供の本格的な運用開始を経て、初の船舶活用が実現した。

一人でも多くの命守る
党船舶活用医療推進プロジェクトチーム座長 横山信一 参院議員

災害で一人でも多くの命を守るため、今回の船舶医療の展開は意義深い。公明党として導入を求めてきた「病院船」への大きな一歩である。

地震により、交通事情が厳しく水道復旧の遅れや記録的な猛暑も重なり、被災者の体調悪化が危惧される。過酷な状況だからこそ、船舶による医療や救護体制が有効に機能し、被災者の役に立つことを強く願っている。

一方で、初の運用を通じて、搬送体制や活用方法など現場の新たな課題も見えてくる。円滑な運用のために、自治体や現場の医療機関などとの緊密な調整は欠かせない。

公明党は今後も被災地のリアルなニーズや課題を丁寧にくみ上げ、復旧・復興を進める決意だ。

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