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コラム「北斗七星」
それは私たちの顔にしわを刻んでいく。それは浪費され、つぶされる。楽しんでいると、たちまちそれは過ぎ去り、もっとあればと願う。それは時間だ◆「時間とは何か。誰からも尋ねられなければ、私にはわかる。しかし説明しようとすれば、わからなくなる」。古代ローマの哲人アウグスティヌスは、『告白』でそう述べている。時間とは、それほど捉え難い◆『時間に終わりはあるのか』(コリン・スチュアート著、田沢恭子訳、ハヤカワ新書)を読むと、私たちが当然と思っている時間の感覚が覆される。例えば、山頂と海面では重力の強さがわずかに異なるため時間の進み方もほんの少し違う◆相対性理論によれば、時間は速度や重力の影響を受けて進む速さが変化する。地球の上空を高速で周回する人工衛星の原子時計は地上の時計との間に生じる時間のズレを補正しなければGPS(全地球測位システム)は正確に機能しない◆奈良先端科学技術大学院大学の遠藤求教授は『脳と体を整える体内時計のトリセツ』(築地書館)にこう記している。時間の正体は結局よく分からない。だが、生きる上で大事なのは正体を知ることではなく、分からないからこそ大切にすることなのだと。(佳)









