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社会保障国民会議における議論の焦点
党社会保障・雇用制度改革調査会長 里見隆治氏に聞く
政府・超党派による「社会保障国民会議」が7月29日に開かれ、「所得に連動したきめ細かな給付」や食料品の消費税減税を巡って実務者会議で作成した中間取りまとめが報告された。その後、30日には高市早苗首相が、2027年4月から2年間限定で食料品の消費税率を1%に引き下げる方針を正式に表明した。実務者会議に出席してきた公明党の里見隆治社会保障・雇用制度改革調査会長(参院議員)に、これまでの議論のポイントや公明党の主張について聞いた。
■所得に連動した給付 「理想形」へ議論続けよ
対象外の人への対応も検討
――中間取りまとめで示された新たな給付制度をどう評価するか。
国際比較でも日本の中低所得者は社会保障や税の負担が大きいため、新制度については負担軽減と就労促進という観点から一定程度評価しています。しかし、あくまで本格的な給付付き税額控除への第一歩に過ぎません。理想形に向けた制度設計を引き続き検討するべきです。
――実務者会議で公明党が強調した点は。
「誰一人取り残されない」という観点です。新制度の最低収入ラインについては、低所得層をカバーするため「雇用保険の適用ライン(給与収入約53万円超)」とするよう主張し、会議で挙がった意見として中間取りまとめに明記されました。
また、病気や障がいなどで十分に働けない低所得者が対象外となる可能性を踏まえ、既存の社会保障制度を通じた支援を網羅的に検討し、可能な限り新制度導入と同時に実施するよう強く求めた結果、今後の検討事項に盛り込まれました。
■"食料品の消費減税" 2年限定は混乱の懸念
財源確保し恒久実施すべき
■相互に補完し合う制度設計が重要
――食料品消費税率の引き下げについては意見がまとまらなかった。
公明党は、同減税は足元の物価高対策にとどまるものではなく、生活の基盤である「食」を支える福祉的政策だと位置付けています。従って、恒久財源を確保した上で恒久的に実施するべきだと考えています。
2年間の措置では、終了時に、新制度の対象ではない人にとっては大増税となるなど、全く「つなぎ」になっておらず、社会的な混乱を招く懸念があります。
■物価高対策で現金支給を迅速に
両者は政策目的が異なるため、「つなぎ」ではなく相互に補完し合う施策として検討するべきです。関係業界からヒアリングを行ったものの実務者会議で検討されなかった外食産業や農業への対応も不可欠です。その上で「つなぎ」の予算措置をするなら、公明党が26年度予算の審議から訴え続けてきた物価高に苦しむ人への給付を来年4月を待たずに早急に行うべきです。
――今後については。
中間取りまとめでは財源の具体性がありません。今後の制度設計で既存の社会保障費を切り崩し、サービスが低下することがあってはならず、歳入・歳出全体の見直しで財源を捻出するべきです。本格的な給付付き税額控除の実現と、誰一人取り残されない社会保障制度の構築に向け、引き続き建設的な議論をリードしていきます。
■<解説>中間取りまとめ報告
新たな勤労者支援を29年度導入の方針
実務者会議では中低所得者の負担軽減策として、減税と現金給付を組み合わせて支援する給付付き税額控除と、食料品の消費税率ゼロを含めた社会保障と税の一体改革の議論を進めてきた。
中間取りまとめでは、給付付き税額控除を「所得に連動したきめ細かな給付」を行う新制度として2029年度に導入する方針を掲げた。中低所得の勤労世代を主な支援対象として、支援額は就労を促す観点から所得に応じて段階的に増額し、一定水準を超えれば徐々に減らす想定だ。手取りが減る「年収の壁」に配慮した一定の加算も行う。
さらに、導入までの「つなぎ」として食料品の消費税率を8%から1%に引き下げ、新制度の先取りとして同1%分の給付も来年度実施する議長案などが示された。











