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【主張】再審制度の見直し 冤罪救済には余りに不十分だ
誤った裁判により無実の人が罪を着せられる冤罪は国家による最大の人権侵害だ。早期救済を目的に制度を見直したとはいえ、余りに不十分な内容にとどまったことは残念でならない。
刑事裁判をやり直す再審制度の見直しのための改正刑事訴訟法が17日に成立した。制度の見直しは1948年の同法制定以来、初めてであり、法改正が実現した意義は小さくない。
だが、冤罪の早期救済という当初の目的が果たされるのか懸念は拭えず、公明党は反対した。
再審は確定判決の誤りを是正し、冤罪となった人を救済する最終手段である。これまでは再審請求手続きに関する規定が乏しかったため、再審開始にこぎ着けるまでのハードルが高く、「開かずの扉」などと批判されてきた。
改正法の一番の問題は、再審手続きの鍵を握る証拠開示が不十分な点だ。裁判所が検察に証拠提出を命じる規定を新設したが、命令は再審請求との関連性や必要性を考慮して「相当と認めるとき」に限られた。
再審請求をする側が証拠をほぼ持たない現実を踏まえれば、確定判決を覆すほどの証拠を独自に入手するのは不可能に近く、検察が持つ証拠を幅広く開示する仕組みにする必要がある。
また、証拠を再審手続き以外で使う「目的外使用」を罰則付きで禁じる規定の新設も明らかに行き過ぎだ。過去の再審手続きで目的外使用が問題になった事例はなく、罰則の新設で請求側が萎縮する恐れもある。
さらに、再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)は「原則禁止」とし「十分な根拠がある場合」は認める余地を残した。再審開始まで長期間かかる現状を改めるには抗告を完全に禁止する以外にない。
公明党は、こうした課題を改善する修正案を立憲民主党と共同提出したが、否決された。冤罪救済の遅れは当事者と家族の人生に取り返しのつかない影響を与える。政府は5年ごとに見直しを検討する改正法の規定に基づき、課題解消に向け真摯に取り組むべきだ。









