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2026年7月17日

【主張】改正個人情報保護法 人権侵害の恐れ拭えず強く憂慮

デジタル技術の発展に伴う人工知能(AI)の開発促進は不可欠だが、個人情報の保護を軽視するようなことがあってはならない。

個人情報の活用を拡大させるための改正個人情報保護法が10日、成立した。2年以内に施行される。

改正法ではAIのモデル開発やデータ活用を進めるため、民間事業者や医療機関などが持つ個人情報を、本人の同意がなくても海外を含むAI事業者に渡せるように規制を緩和する特例を設ける。公明党は、中道改革連合や立憲民主党などと共に反対した。

理由は、個人情報保護の観点で問題が多いからだ。

最大の懸念は、病歴や犯罪歴、信条といった特に慎重な取り扱いが求められる「要配慮個人情報」も提供できる点にある。

最も守られるべき機微な情報であるにもかかわらず、AI事業者への事前審査制度などはなく、悪意ある事業者が情報を得る可能性は否定できない。一度に大量のデータを組み合わせれば個人を特定できる「プロファイリング」や、予期せぬ不当な差別・偏見につながる危険性は高い。

改正法では不適切な活用を防ぐため、統計作成の内容公表や目的の限定といった条件を課し、違反行為に及んだ事業者には新たに設ける課徴金を科す。

しかし、この内容だけで安全管理の実効性は担保できず、極めて脆弱な制度と言わざるを得ない。過去には行政機関であっても情報漏えいが起きており、政府の個人情報保護への意識は不十分である。国民の人権を侵害する恐れは拭えず、強く憂慮する。

公明党は立憲民主党などと、要配慮個人情報を特例の対象外とする修正案を提出したが否決された。

今後、具体的な適用基準や安全対策は、個人情報保護委員会の規則に委ねられる。同委員会は、基準を極めて厳格に策定するとともに、データ提供の範囲を明確にすべきだ。

AI事業者の取り組みに対する監視も重要であり、同委員会の人員拡充など体制強化を急ぐ必要がある。

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