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2026年7月9日

【主張】最低賃金の引き上げ 中小の原資確保へ適正な取引を

物価高の中、働く人の生活を支えるには最低賃金の引き上げが重要だ。中小企業が賃上げの原資を確保できるよう、大企業などとの取引で適正な価格転嫁が行われることが欠かせない。

2026年度の最低賃金引き上げ額の「目安」を決める議論が厚生労働省の中央最低賃金審議会で進められている。目安は7月中にも示される見通しだ。

昨年度の改定では、前年度から66円増と過去最大の引き上げとなり、全国平均は1121円に達した。春闘では高水準の賃上げが続いており、その流れを中小企業や非正規労働者にも波及させる必要がある。

ただ、人材確保のため業績が伸びなくても賃金を上げる「防衛的賃上げ」を余儀なくされる中小企業・小規模事業者は少なくない。原材料や燃料などのコスト増を発注者側に価格転嫁できなければ、賃上げの原資は先細りしかねない。

日本商工会議所が5月に行った調査では、中東情勢で経営に何らかの影響が出ている中小企業は9割超。コスト増の影響を受けた企業のうち、価格転嫁が「ほとんどできていない」「していない」との回答は約半数に上った。適正な価格転嫁の後押しが不可欠だ。

公明党の尽力で成立した中小受託取引適正化法(取適法)が今年1月に施行され、価格交渉を適切に行わない一方的な代金決定が禁止された。取引上優位な発注者側が、コスト上昇分の転嫁に積極的に応じるべきだ。政府には取引実態の把握と必要な指導を徹底してもらいたい。

国や自治体による工事発注などの「官公需」も改善が必要だ。中小企業庁の今年3月時点の調査では、官公需の価格転嫁率が昨年9月から約4ポイント低下した。国や自治体が率先した姿勢を示すべきではないか。

政府は、最低賃金の全国平均を20年代に1500円とする目標について、達成時期を事実上先送りする方向で調整している。賃上げの流れが弱まることにならないよう、生産性向上を含め中小企業への支援を一層強化しなければならない。

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