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食料安全保障の強化へ
水田政策見直しで中立公3党が提言
党農林水産部会長 高橋光男参院議員に聞く
政府は、将来にわたり食料の安定供給を維持するため、2027年度からの水田政策の抜本的見直しを進める中、10日に新たな水田政策の基本的な考え方・仕組みを取りまとめた。これに先立ち中道改革連合、立憲民主、公明の3党合同農林水産部会は、水田政策の見直しを巡る提言を政府に申し入れた。提言の背景やポイント、今後の取り組みなどについて、公明党の高橋光男部会長(参院議員)に聞いた。
農家と消費者が納得の施策に
――水田政策を見直す背景は。
コメは食料安全保障の根幹である。しかし、担い手不足や高齢化に加え、資材高騰、気候変動などが重なり、生産現場は厳しさを増している。米価が下がり過ぎれば翌年の作付け意欲が失われ、急騰すれば家計や給食、外食などを直撃する。
今必要なのは、生産者か消費者かという対立ではなく、農家が再生産でき、消費者も安心できる仕組みへの転換である。
経営安定、中山間地支援を重視
――提言した理由は。
政府は既に見直しの方向性を示していたが、現行の経営安定対策、たとえば収入保険や収入減少影響緩和対策(通称・ナラシ対策)だけでは、日本のコメ生産を支える小規模・兼業農家、中山間地域の農家が制度からこぼれ落ちる懸念があった。
そこで3党で現場を回り、生きた声を基に議論を深め、提言をまとめた。生産者だけでなく、集荷、卸、小売、外食、消費者までを一つの食料システムとして捉え、現場の不安を制度設計に反映させるための包括的で現実的な打開策を提示できたと感じている。
――特に訴えたポイントは。
第一は、急激なコスト上昇、米価下落、不作に対応できる新たな経営安定対策の創設である。大規模化や効率化だけでは守れない地域農業があり、既存制度では救いきれない農家を支えるセーフティーネット(安全網)が欠かせない。
第二に、棚田や離島などの国土保全の観点から、中山間地域の営農継続を支えるための現行の支払制度の関係予算の大幅増額である。
第三に、流通各段階のコストを見える化し、農家が続けられ、消費者も納得できる価格形成につなげることである。生産費など価格の背景を分かりやすく示すことが、消費者理解にもつながる。
――政府方針をどう受け止めるか。
「水田活用の直接支払交付金」を収量に応じた支援へ見直し、農地集約や基盤整備、省力化を進める方向は重要である。特に、生産性向上が難しい中山間地域の支援で、傾斜以外の条件不利も対象に広げる考え方は提言に沿うものとして評価している。
一方で、支援単価や要件の提示が秋以降では、来年の作付け判断に間に合わない。国は速やかに、現行以上の支援水準となる単価を明示すべきだ。
――今後の対応は。
食料安全保障は国の根幹である。農家を守ることと、消費者の負担を和らげることを「両立」させていく方途を政治が示していかなければならない。そのためには、農家が再生産できる適正な価格形成が必要な一方、消費者負担を和らげる仕組みも欠かせない。
現場の実態を制度と予算に反映させ、生産者と消費者の双方が納得できる水田政策の実現に全力で取り組んでいく。
提言のポイント
・急激なコスト上昇などに対応する新たな経営安定対策の早期創設
・中山間地域の営農継続を支える関係予算の大幅増額
・流通段階でのコスト見える化で適正な価格形成
・小規模・兼業農家らの担い手育成
・将来の地域農業や農地のあり方を示す「地域計画」の実行
<解説>政府の基本設計案
政府が示した新たな水田政策の基本的な考え方は、水田と畑の区分ではなく、10アール当たりの収量向上、省力化やコスト削減といった生産性に支援の軸を移す。担い手が減少する中、田畑をフル活用して安定した食料供給力を保ち、食料安保の強化につなげる狙い。
具体的には、飼料用米や麦などを生産する農家への「水田活用の直接支払交付金」を、水田での転作に着目した従来の制度から、田畑を問わない作物ごとの生産性向上支援へと転換する。
条件が不利な地域での営農継続を支える「中山間地域等直接支払交付金」は、農地の傾斜以外も不利要件に含めて支援を拡充。農地集約などでコメの生産性を向上させ、コメ・コメ加工品の輸出拡大、米粉の需要創出も進めていく。










