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2026年6月16日

【主張】高額療養費の見直し 患者の実情に寄り添わぬ政府

病気と闘う患者の希望を奪いかねない決定であり、患者の実情に寄り添わない政府の姿勢を糾弾したい。

医療費の窓口負担を一定額に抑える高額療養費制度の見直しを巡り、長期療養者への配慮などを盛り込んだ健康保険法等改正法が先月29日、参院本会議で成立した。公明、立憲民主両党は反対した。

今回の見直しにより、今年8月と来年8月の2段階で、所得に応じて負担額の上限が引き上げられる。

高額療養費制度は国民の命と生活を守る“命綱”とも言うべき医療の中核的制度だ。とりわけ、がんや難病、慢性疾患など重い病気に直面する人にとって同制度は大きな支えとなる。

政府は長期療養者への配慮として年間上限額の設定や同制度を1年で4回以上利用すると自己負担の上限額が下がる「多数回該当」を挙げる。しかし、本来は短期療養者や中低所得者も考慮した制度設計が重要であり、多くの患者を必要な治療から遠ざけることにならないか強く危惧する。

同制度の見直しは昨年、患者の意見を聴いていないとの理由で、憲政史上初めて参院での予算案再修正で凍結された経緯がある。

にもかかわらず、患者団体などを交えて再検討した政府の専門委員会で金額などの詳細が示されたのは、全9回中の9回目で2026年度予算案の閣議決定前日。あまりに唐突な決定に患者団体から納得できないとの抗議が相次いでいる。議論の不十分さは明らかで、政府は昨年の予算審議の反省を生かしていない。

今年と来年の自己負担上限額の引き上げをパッケージ化している点も看過し難い。27年度予算案はまだ編成されておらず、本来は今年の見直しの影響を検証した上で判断すべきだ。

公明党は立憲民主党と共に、患者らの意見聴取を法律上明確にすることなどを定めた修正動議を提出したが否決された。

政府には患者への影響を見極めて対処する責任がある。公明党は患者に寄り添って現場の実態を政府に伝え、影響緩和に努めたい。

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