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2026年6月10日

【主張】ヘイトスピーチ 解消法10年、ネット対策が課題に

特定の民族や人種への差別をあおり、人間の尊厳を深く傷つける不当な差別的言動は許されない。この姿勢を宣言し、公明党の後押しで実現した「ヘイトスピーチ解消法」が、3日で施行10年を迎えた。

この間、同法をきっかけにヘイトスピーチ解消に関する条例の整備が各地で進み、人権意識が広く国民に共有された意義は大きい。しかし、差別的な言動を受けて苦しむ人は今もいる。時代に合わせて取り組みを点検することが重要だ。

ヘイトスピーチは、特定の国の出身者やその子孫らに対し、▽合理的な理由なく一律に排除をあおる▽危害を加えるとする▽著しく見下す――ものを指す。

警察庁によると、極端な民族主義・排外主義的な主張に基づいて活動する団体が行ったデモは、2014年は全国で約120件だったが昨年は約20件となるなど、街頭での露骨なヘイトスピーチは減りつつある。

一方、近年深刻化しているのが、SNSなどインターネット上での差別的な書き込みだ。

出入国在留管理庁の25年度調査では、ヘイトスピーチを受けた、または見聞きしたことがある在留外国人のうち、ネット上で経験をした割合が71.4%に上った。また、人権侵犯事件として新たに54件の救済手続きも開始されている。

ネットでの書き込みは匿名性が高く、偽・誤情報も少なくない。不特定多数の人の目に触れることで、差別を動機とする犯罪が誘発された事案もある。法務局がネット事業者に削除要請しても対応が進まないケースがあり、ネット上の対策は大きな課題だ。

このほか、さらなる法整備を巡っては、弁護士らでつくる外国人人権法連絡会が、政府から独立した人権の専門機関を創設し、差別的行為が繰り返された場合に刑事罰を科すことなどを提案している。

政府は今年度、約10年ぶりにヘイトスピーチの実態調査を行う。被害者の声も聴きながら現状を把握し、実効性のある対策に生かしてもらいたい。

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