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2026年6月9日

【主張】交通空白地の解消 官民連携で輸送資源フル活用を

全国各地で地域の暮らしを守る公共交通の維持が深刻な課題となっている。官民が連携して地域の限られた輸送資源をフル活用し、移動手段の確保策を再構築していく必要がある。

公共交通機関が少ない交通空白地の解消に向けた改正地域公共交通活性化再生法が3日に成立した。

急速な人口減少や運転手不足により、各地ではバス路線などの減便や廃止が相次ぐ一方、高齢者の運転免許返納、学校・病院などの統廃合を背景に、地域公共交通に対する社会的需要は高まっている。そこで改正法では、地域内を走る輸送資源を最大限に活用するため、自治体が主導する形で複数の事業者などによる協力体制を整える新事業を創設する。

具体的にはスクールバスや、病院、商業施設などの送迎バスを運行する事業者らを「施設利用者用運送サービス提供者」として法的に位置付け、新事業の実施に当たり運転手や車両の確保などで自治体に協力することを努力義務とする。

これにより、例えばスクールバスが稼働していない日中の時間帯に、住民向けの公共ライドシェアとして運行するといった活用が考えられる。さまざまな輸送資源を、垣根を越えて連携させる意義は大きい。

先駆的に取り組んでいる自治体はある。岐阜県白川町は、ルートが一部重複していた病院の送迎バスと町営バスを統合し、運転手の確保や利用者数の増加につなげている。静岡県湖西市は、市内企業が保有している従業員送迎シャトルバスを活用し、住民も利用できる乗り合いバスを運行している。自治体の取り組みが広がるよう、国は一段と後押ししてほしい。

一方、中小規模の自治体では地域交通を担う職員が不足している課題もある。この点、改正法では専門的な知見を持つ民間企業が路線の提案などをサポートする体制も整備する。

持続可能な公共交通を築くため、地域の実情に合わせて官民で知恵を絞り、住民が利用しやすい移動手段を確保してもらいたい。

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