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【主張】民事裁判のIT化 手続きが迅速化、負担軽減も進む
裁判の提起から判決までの手続きを全てオンラインで行える民事裁判の全面IT化が、5月21日に始まった。改正民事訴訟法の施行によるもので、手続きを迅速化して裁判を利用しやすくする上で大きな前進だ。
民事裁判は金銭の貸借や物の売買など、市民生活や経済活動でのトラブルを巡って私人同士が争うものである。2024年の司法統計によれば、全国の地方裁判所が受け付ける民事裁判は年間14万件を超える。
その中で課題だったのが裁判が終わるまでの審理期間の長さだ。訴えを起こした原告と訴えられた被告双方が最後まで争うと、平均1年以上かかる。しかも、手続きは書面や対面でのやり取りが基本なので、当事者の負担は大きかった。
このため、公明党も後押しして民事訴訟法が22年に改正され、段階的にIT化が進められてきた。24年には、事実の主張や証拠の提出を法廷で行う「口頭弁論」について、当事者がウェブ会議を利用して参加できるようになった。
そして今回の取り組みはIT化の最終段階に当たる。インターネット上で裁判所に書類を提出したり、裁判の記録が閲覧できるほか、判決文の受け取りもオンラインで可能だ。一度も裁判所に行かなくても手続きが済むようになった。
全面IT化と併せて、原告と被告双方の申し出・同意があれば、7カ月以内で裁判を終える制度も創設された。見通しが立たない不安の解消につながろう。
一方、デジタルに不慣れな人への配慮も大切だ。代理人となる弁護士はオンラインでの手続きが必須だが、代理人をつけずに裁判を起こす場合にはオンラインのほか紙での書類提出も可能としている。柔軟な対応にしたのは妥当だ。
日本は海外の先進国と比べ、民事裁判手続きのIT化が遅れていた。経済のグローバル化が進む中、国境を越えた商取引などで民事上のトラブルは今後増えると見込まれる。全面IT化により、海外企業が日本で活動する上での安心感につながることも期待したい。









