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2026年6月3日

コラム「北斗七星」

「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」。物資が不足していた戦時中の国民標語だが、現代でも困難な状況下で創意工夫する重要性を説く言葉として使われるという◆食品大手カルビーがポテトチップスなど主力商品の白黒パッケージでの出荷を始めた。「石油原料節約パッケージ」と明示してインク原料であるナフサの不足に対応し、消費者への供給を維持するための苦渋の決断であろう◆5月20日付朝日新聞の報道によると、この対応を官邸幹部が「売名行為だろう」と批判したようだ。しかし、誰が好き好んでカラフルなパッケージをわざわざ白黒に変えるというのか。現場の苦労を踏みにじるような非常識な発言だ◆“産業の血液”とも呼ばれるナフサの不足で悲鳴を上げている事業者は数知れない。政府は、ナフサの総量は足りており、行き届かないのは流通の目詰まりだと繰り返すが、現場認識との隔たりを指摘する報道も増えてきた◆1998年の映画「踊る大捜査線 THE MOVIE」で織田裕二さん演じる青島刑事が放った名セリフを思い出す。「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」。現場の厳しい現実を直視せずして、正しい政治を行えるはずがない。(祐)

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