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新規就農者を応援
トラクター、ビニールハウスなど初期投資の負担軽減
40代以下 研修期間の費用も支援
新規就農への意欲を喚起――。農業従事者の高齢化や減少が進み、担い手不足が深刻化する中、政府は新規就農者の確保、経営の安定を図るため、2020年度税制改正大綱に新規就農者が利用する機械などにかかる固定資産税を軽減する特例措置を盛り込んだ。
具体的には、新規就農者に貸し出すため、農業協同組合などが取得したトラクターなどの機械や農業用ハウスなどについて、5年間、固定資産税の課税標準を3分の2に引き下げる。対象は22年3月31日までに取得したもの。
新規就農に当たっては、農業収益が不安定な中、所得と関係なく課される固定資産税が、新規就農者にとって大きな負担となっている。農林水産省によると、新規就農者が1年目に要した費用のうち、7割以上が機械や施設などの費用であり、就農5年目以下では8割の新規就農者の生計が成り立っていないのが現状だという。このため、今回軽減する特例措置により、新規就農者の初期投資負担を軽減し、就農意欲の喚起と就農後の経営安定化を図る。
一方、19年度補正予算でも、30代半ばから40代半ばの就職氷河期世代やシニア世代を対象にした新たな就農支援策を講じる。
具体的には、30、40代の就農希望者に研修期間に必要な資金として最大で150万円を交付。政府は23年までに40代以下の農業従事者を40万人まで拡大する。
シニア世代対策では50~59歳までの就農希望者を受け入れる研修機関を支援。就農希望者が無料で技術を身に付けられるよう、研修機関に対し、研修生1人当たり120万円を上限に支援する。
新規就農者への支援について、公明党は団体からの要望を受け、政府に繰り返し要請。昨年11月には、政府の経済対策に関する要望で、幅広い世代の新規就農を後押しするとともに、地域農業の担い手確保に向けた人材育成などを求めていた。