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【主張】盛り土の災害防止策 未実施が半数、自治体に支援必要
土地の造成で斜面を平らにするために土を盛って整える「盛り土」は、必要な対策を講じて適切に管理しなければ、豪雨などで崩落する恐れがある。ところが、災害リスクが指摘された盛り土のうち、約半数で対策が取られていないことが先月、国の調査で判明した。
住民の命を守るため、国は盛り土の対策を担う自治体に対し、支援を一層強化しなければならない。
静岡県熱海市で2021年に発生した大規模土石流災害を受け、国が実施した総点検によると、必要な災害防止措置を確認できなかった盛り土は、全国で513カ所に上った。今回の国の調査では、このうちの254カ所で対策が未実施のままであることが明らかになった。
熱海市の土石流災害は、不適切に造成された盛り土の崩落が被害拡大の一因とされている。年々、豪雨が頻発化・激甚化する中、大惨事を繰り返さないためにも対策を急ぐ必要がある。
今回の調査結果は、国が盛り土の規制を強化したにもかかわらず、自治体の対応が進んでいない実態を浮き彫りにしている。
23年5月に施行された盛り土規制法では、都道府県などが既存の盛り土に対する災害リスクの把握や定期的な経過観察を実施することや、災害リスクがある盛り土の所有者に対し対策工事の勧告・改善命令を行うことが定められている。
だが、調査結果によれば自治体の行政指導に所有者が従わないなど、自治体が対応に苦慮している実情がうかがえる。自治体による行政代執行も検討されているが、予算や人員に余裕がないのが現状だ。国は規制の効果を上げるために、財政面や技術面で自治体の取り組みを後押しすべきだ。
一方、自治体側の意識を高めることも重要だ。大規模な盛り土造成地で定期的な経過観察を行っていない自治体は6割を超え、中には必要性を認識していない自治体もあるという。災害リスクは時間の経過や降雨状況によって変化する。国は経過観察の意義を改めて徹底してもらいたい。









