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【主張】観光地の二重価格 納得感ある制度へ議論深めて
全国の観光施設などで、インバウンド(訪日客)や地域住民以外の観光客の料金を住民より高く設定する「二重価格」を導入する動きが広がっている。
観光庁は先月27日、観光施設の利用料金を調査・研究する有識者会議の議論をスタートした。先行事例を分析し、自治体や民間の料金設定の参考にしてもらう狙いがある。観光資源の持続可能な保全と、住民生活の質の確保を両立させるため、納得感のある制度設計を進めることが重要だ。
二重価格の導入が広がる背景には、訪日客の急増がある。昨年は4000万人を超え、旅行消費額は約9.5兆円に達し、いずれも過去最高を記録した。一方で、特定の観光地への集中による混雑やマナー違反といった「オーバーツーリズム(観光公害)」の問題が深刻化している。
また、物価や人件費の高騰により、文化財や施設の維持管理コストも増大しているのが実情だ。
海外を見ると、フランスのルーブル美術館や米国の国立公園などで、外国や地域外からの観光客に高い料金を設定するケースが少なくない。国内では、市民と市民以外で施設の入館料に差をつけたり、混雑状況に応じた「時間帯別運賃」を取り入れた例がある。
二重価格の導入は、混雑緩和や受け入れ体制の整備のほか、観光資源の維持や魅力向上に必要な財源を確保できるという点で有効な手段と言えよう。政府も国立の博物館や美術館に二重価格の導入を求めている。
他方で、二重価格を巡っては「不平等だ」との指摘や、想定以上の客離れを懸念する声もある。重要なのは価格設定の根拠と使途の透明性だ。増収分が地域の渋滞対策や多言語対応、文化財の修復にどう還元されるのか、丁寧に説明し理解を得ることが欠かせない。
観光庁は有識者会議で関係者のヒアリングなどを行い、今年度中にも料金設定に関するガイドラインを策定する方針だ。地方への誘客促進やリピーターの獲得という観点も欠かさず、議論を深めてほしい。









