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【主張】AI検索での記事利用 報道機関に対価支払われるべき
インターネットを利用して調べごとをすると、人工知能(AI)がまとめた概要が真っ先に目に入る。これは、ネット利用者が知りたいことに関連する最新の情報をAIが参照し、最適な回答を生成する「検索拡張生成」(RAG)という技術を用いた「AI検索」によるものである。
AI検索で示される概要は端的な文章でまとめられており、知りたい情報がすぐに分かるという利点がある。AIが参照した記事を発信している新聞社などの報道機関名も表示されており、それをクリックすると記事を閲覧できる。
だが、概要で満足してしまうネット利用者が少なくないため、情報源である記事が閲覧されない「ゼロクリックサーチ」と呼ばれる問題が表面化していることにも目を向けるべきだ。
ネット上で記事を公開している報道機関は、一緒に表示される広告が閲覧されることで広告収入を得られる。ところが、ゼロクリックサーチが当たり前になると広告収入を得られなくなり、取材体制の縮小を余儀なくされている報道機関もあるという。この状況を受け、一般社団法人・日本新聞協会は先月20日、AI検索が招く事態の深刻さを踏まえた制度の整備を早急に進めるよう政府に求める声明を出した。
例えば、欧州連合(EU)では、米国の巨大IT企業であるグーグルなどがAI検索で報道機関の記事を参照する場合、その対価を支払う制度が確立している。日本にはそのような制度がないため、AI検索において、報道機関が発信している記事への実質的なただ乗りが生じている。EUなど海外の事例を参考にしながら、AI検索で記事が参照される場合、きちんと対価が支払われる制度の整備を日本も急ぐべきだ。
報道機関が苦労して取材を重ね、正確に事実関係を整理して発信している記事は、AI検索にとっても貴重な公共財であるはずだ。だからこそ、AI検索の普及で報道機関が窮地に立たされている現状を打開していかなければならない。









