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2026年4月19日

平和国家の理念、歩み貫け

防衛装備品の移転巡り提言 
党安全保障部会長、石川博崇 参院幹事長に聞く

防衛装備品の海外移転(輸出)を巡り、政府と自民、日本維新の会の与党両党は現行の制限をなくし、殺傷能力のある武器の輸出を原則認める方向で「防衛装備移転三原則」の運用指針の見直しを検討しています。これに対し、公明と中道改革連合、立憲民主の3党は13日、運用指針の見直しと厳格化に関する提言を政府に申し入れました。武器輸出の歯止めを、いかに維持すべきか。公明党安全保障部会長の石川博崇参院幹事長に見直しに対する見解や提言のポイント、今後の取り組みについて聞きました。

自維「5類型」撤廃検討
紛争助長に懸念

――政府は防衛装備移転三原則の運用指針の見直しを検討しています。

まず前提として、防衛装備品の移転は、厳しい安全保障環境の中で、インド太平洋地域の平和と安定に資する政策的手段として重要な役割を担っていると考えています。同志国と装備品を共有し、共同訓練や維持管理を通じた信頼関係を構築することは、わが国の安全保障に大きな意義があります。

しかし、国際共同開発を除き殺傷能力のある武器を含む完成品の移転は、地域の抑止バランスや緊張に直結します。そのため公明党はこれまで、移転を非戦闘目的の「5類型(救難、輸送、警戒、監視、掃海)」に限定し、明確な「歯止め」をかけてきました。

基準あいまい、「歯止め」を失い武器輸出拡大

――自民・維新の与党は「5類型の撤廃」を掲げています。

与党は、継戦能力の向上や防衛産業強化を理由に5類型を撤廃し、完成品の移転を原則容認する「政策の大転換」をめざしています。しかし、例外規定の基準や例示が極めてあいまいで細部の議論が著しく欠如しており、専守防衛の中で積み上げてきたわが国の安全保障政策を軽視するものと言わざるを得ません。拙速な政策転換は、国際的な信頼失墜や平和外交への悪影響を招きかねず、武器輸出を拡大し紛争を助長する懸念があります。

中立公3党議論し提言
運用指針を厳格化せよ

――中道改革連合、立憲民主、公明3党の提言で訴えた内容は。

防衛装備移転については、国際の平和と安全の維持のための国連憲章を順守する平和国家の理念を空文化させてはならないと強く求め、制度設計の厳格化、透明性の確保を強く訴えています。

そもそも5類型に関しては、海洋安全保障を念頭に設定されたものであり、撤廃すれば装備移転の目的が変容します。与党はその必要性を、これまでの議論を整理した上で、国会で説明すべきであると求めています。

ただ5類型の撤廃や追加はこれまでも議論されてきました。日本にとって重要な海洋安全保障分野の装備移転については許容し得るものであり、提言では「ドローン対処」「共同訓練」「防空システム」を例示し、限定的な装備移転の見直しの検討を訴えています。

――防衛装備移転をどう厳格化しますか。

まず移転先の厳格化です。与党は、現に戦闘が行われている国への移転は行わないとしていますが、これでは地理的要因と解されます。このため、提言では移転先の国家が武力行使を行っている場合には例外を認めず、国連憲章に基づく国際社会の平和と安全の維持・回復に向けた措置に従事している場合などに限定すべきと主張。防衛装備移転三原則で移転を禁止する紛争当事国の定義を見直すよう訴えています。

――殺傷能力のある装備品移転に関しては。

政府と国会の重層的な関与による厳格な審査を強調しています。具体的には、政府全体で責任を負う観点から閣議決定を求めています。

さらに過去に国際約束を結んだ国だけでなく、現在も国際約束を誠実に履行している国に限定するとしました。国際情勢が変化する中、大統領が代わって、政策転換する場合があるからです。

国会関与強化、事前通知も

――国会の関与は。

政府は国会に対する事後報告を行うと一部報道されていますが、国会が関与するためには米国と同じように、一定の金額を超える案件については、国会への事前の報告を義務化すべきです。それを踏まえた検討を政府に促しています。

――国連の機能不全が指摘されていますが。

確かに国連安全保障理事会の常任理事国が武力行使を行うとは想定していませんでした。しかし、安保理が世界各国に対して法的拘束力のある決議を唯一採択できる機関であることは変わりません。国連の機能を回復させるため、国際社会が協力していくことが重要です。日本が、その役割を果たすことを国際社会からも期待されています。

今後の取り組み
国際的な信頼堅持へ政府は丁寧な説明を

――今後の対応は。

政府に提言を出して終わりではありません。日本はこれまで平和国家として歩み、国際社会からも信頼を得てきました。今後もこの歩みの堅持を国内外に示すためにも、国会質問などで提言内容を取り上げ、歴代政府がこれまで積み上げてきた見解が変わらないのか、など丁寧な説明を求めていきます。

また、国民の中には政府・与党が進める議論に対し“殺傷能力のある武器をどんどん輸出するのではないか”など、さまざまな不安を抱いている人もいます。政府には、こうした懸念を払しょくするための説明責任があります。国民目線の論戦を展開してまいります。

――3党で提言を取りまとめた意義は。

先の衆院選以降、公明党は中道改革連合、立憲民主党とともに、さまざまな政策協議に取り組んでいます。今回、3党合同安全保障部会で議論を重ね、提言を取りまとめて政府に申し入れることができました。提言を受け、木原稔官房長官は「政府案で不十分なところがあれば、3党の提案も検討したい」と応じています。中道政治への国民の期待に応える最初のステップになったと思います。

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