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コラム「北斗七星」
人生をかけて、相手の人生を聞く。社会学における質的調査の目的は他者を理解すること。そのときに一番大切なのは、「ディテールを書く」ことだという。社会学者・岸政彦氏の著書『調査する人生』(岩波書店)で知った◆まさに生活者のディテールに触れた質問だった。3月9日の衆院予算委員会での中道改革連合の山本香苗議員の一般質疑だ◆山本議員は、高校生がいる生活保護世帯や住民税非課税世帯に対して、授業料以外の教育費を支援するための制度「高校生等奨学給付金」の増額を迫り、支給時期の前倒しなど制度の改善を主張した。その際、公益財団法人による困窮世帯アンケート調査結果に言及。4割の世帯が親族などに借金をして教育費を工面している実態を指摘した◆その上で「定期券を買う余裕がないので元々行きたかった高校ではなく、自転車で通える距離の学校を選ぶようにお願いした」との保護者の切実な声も紹介。こういう人がいることを常に頭に入れて運用してもらいたいと訴えた◆答弁では「いつも困難な状況にあられる方に寄り添った質問を頂き、ありがとうございます」と片山さつき財務相も応じた。強引な国会運営ではなく、実りある熟議を望みたい。(鷲)









