ニュース
【主張】多用される徘徊型兵器 使用規制する国際規範の確立を
人工知能(AI)を搭載した兵器が自ら標的を選んで攻撃する「自律型致死兵器システム」(LAWS)。その本格的な実用化への懸念が高まる中、LAWSに近い「徘徊型兵器」(LM)が既に世界各地の武力紛争で多用され、民間人の犠牲が生じていることに目を向けるべきだ。
LMは「自爆ドローン」とも呼ばれる。AIを搭載し、攻撃すべき標的を探しながら上空をうろつくように飛ぶので「徘徊型」と呼称され、標的を発見したら体当たりして自爆する。
国連人権高等弁務官事務所によると、ロシア軍の攻撃で殺害されたウクライナの民間人1万5000人以上の最大の死因の一つがLMの使用によるという。
また、先月28日にイスラエルと米国が開始したイランへの大規模攻撃に対する報復として、イランは「シャヘド」というLMを使用し、近隣の中東諸国の海水淡水化施設といった民間施設まで攻撃している。
一方、イスラエルと米国も、イランの海水淡水化施設や石油施設、病院、学校などを破壊している。
米国は今回のイランに対する攻撃で「ルーカス」という最新型のLMを初めて使用した。妨害されやすい全地球測位システム(GPS)による通信に頼らず、AIが地図データを参照しながら飛行を制御し、攻撃すべき標的も選定する。
だが、例えば、軍事施設と民間施設が混在する場所では、ルーカスのようなLMが民間施設を軍事施設だと誤認する可能性がある。
こうした問題意識を踏まえ、今月2~6日までスイスのジュネーブで開かれた、LAWSを禁止・規制する国際ルール作りをめざす特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の政府専門家会合(GGE)では、LMを使用する場所の地理的環境などの「状況に応じて人間が適切に判断し、兵器の使用を制限」(CAHJC)するという考え方が提唱されていることは重要だ。
CAHJCに基づき、LMの使用を規制する国際規範の確立も求めたい。









