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学校司書の配置さらに
探究的な学習支える
全小中に「専任」、貸し出し数増
探究的な学習が学校現場で重視される中、役割が増している学校司書。司書資格を持つ人などが採用され、学校図書館(室)の運営を担う。各地の公明議員の推進で配置が着実に進んできた一方で不在校が残るなど、配置充実が課題となっている。全区立小中学校に専任者を配置している東京都杉並区を取材するとともに、全国学校図書館協議会理事長を務める野口武悟・専修大学教授に話を聞いた。
■(東京・杉並区)探究的な学習支える/全小中に「専任」、貸し出し数増
「学校司書は子どもに適した本を探すなど、資料や情報を収集・活用するプロだ。教員の授業も支えており、図書館をただ管理しているだけではない」。杉並区立済美教育センター学校図書館支援担当の奈良史香係長は、学校司書の専門性をこう指摘する。
杉並区は現在、全ての区立小中学校(計63校)と特別支援学校の小学部、中学部のそれぞれに専任の学校司書を配置。区が非常勤職員である「会計年度任用職員」(1日6時間、週5日勤務)として直接雇用している。
読み聞かせといった読書支援に加え、図鑑や年鑑の利用指導、調べ学習などの授業支援を実施。全校配置を開始した2012年度と24年度を比べると、学校司書が授業を支援した回数は、ほぼ倍増した。1人当たりの年間貸し出し冊数は、小学校で1.6倍、中学校で1.4倍になった。
成果の背景には、司書業務をバックアップする区の手厚いサポート体制がある。区は、子どもの読書活動推進を図る中、学校司書には毎月1回の研修を行い、教員向けの研修なども実施。奈良氏は「研修を通して学校司書が横でつながり、情報交換などが業務に生かされている。教育に貢献できる学校司書の役割を、教員を含め多くの人に理解してほしい」と話していた。
公明党は、各地の議員が議会質問などを通じて学校司書の配置充実を推進。杉並区では、大槻城一区議が蔵書の拡充とともに専任司書の配置を訴えてきた。
■不在校が存在、複数校兼任も
学校司書は、14年に学校図書館法で配置が努力義務となり、学校司書を活用して読書活動や授業の充実に取り組む自治体が広がった。公立小中学校への配置率は、05年度の4割から23年度は7割に増えた一方、未配置の学校も残っており、地域間格差が大きくなっている。
配置率は上昇しているが、その内実を見ると、常勤職員は全体の1割程度にとどまる。複数校の兼任は少なくないため、1校当たりの勤務日数が週1日程度のケースも珍しくない。
同法では、12学級以上の学校に専門講習を修了した司書教諭の配置を義務付けているが、教科指導を担う教員との兼務が基本で、図書館業務の時間は不足しがちだ。
昨年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)では、読書が好きな児童生徒ほど、国語、算数・数学、理科の各教科の正答率・スコアが高い傾向が見られた。ただ、読書が好きな児童生徒の割合は減少傾向にあり、学力の面からも本に親しむ環境づくりは重要になってきている。
■本と子どもを“橋渡し”/専修大学 野口武悟教授に聞く
現在の小中高全ての学習指導要領では、学校図書館を「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かす」と明記している。図書館は、ただ本が並んでいるだけでは生かせない。本と子ども・教員を“橋渡し”する学校司書が常駐してこそ、生かせる。
ただ、学校司書が複数校を兼任している状況では、図書館の環境整備に取り組むのがやっとだ。学校現場で探究的な学習などの授業の充実が求められており、学校司書の専門性は欠かせない。
■事実確認能力の養成へ重要
GIGAスクール構想の下、1人1台の端末が配備される中、学校図書館は時代遅れだと思われている節がある。生成AI(人工知能)などを使えば情報の検索・要約は容易だが、必ずしも正しい情報とは限らない。
少なくとも複数の目が入り編集された本は確かな情報源と言える。今の時代に必要なファクトチェック(事実確認)の能力を育む場として図書館を活用してほしい。そのためにも、紙とデジタルの資料に精通した学校司書の存在が重要だ。
■読書環境改善へ地方議員に期待
国は、学校司書の配置充実や図書購入に充てる費用として地方交付税を措置している。しかし、交付金をどう使うかは自治体が決めることになっており、財政難などから学校図書館への予算配分は後回しにされがちだ。ぜひ公明党の地方議員には、子どもの読書環境の改善について、各議会で取り上げてもらいたい。










