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2026年3月7日

コラム「北斗七星」

人工知能(AI)に相談する人が増えている。AIが何でも聞いてくれるなら雑談の相手もAIでいいのではないか。そう思っても不思議ではない◆いや私はそう思わない。こう考えるのはマンツーマンで雑談するサービスを6年前から提供している桜林直子氏。その訳は著書『あなたはなぜ雑談が苦手なのか』(新潮新書)に詳しい◆AIが人の悩みに寄り添い肯定し過ぎると、それは「変わらなくていい」というメッセージになり得る。逆に「こうすればいい」と促されても、そう急にはできないものだ◆氏は雑談しつつ大勢の人を見てきた。「いつもと違うやり方をやってみた→ちょっとだけできた→少しだけわかった気がする」。相手の話をただ聞き続ける中で、そうやって本人が自ら変える方法をつかんでいった。人と話したことが自分の中で問いになり、自身の考え方や行動の癖を疑えるようになる。こうして少しずつ時間をかけて良くない癖が直されていく◆タイパやコスパなど効率が重視される現代。それがいき過ぎると、すぐに役立つことだけがよしとされ、それ以外は意味がないとされてしまう。役に立たず意味がないと見られがちな雑談。相手が人であることにこそ意味がある。(佳)

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