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2026年2月18日

“衆院選結果 識者に聞く” 首相、イメージづくり成功

民意を的確に反映する選挙制度へ議論が必要
慶応義塾大学名誉教授 小林良彰氏

8日に投開票された第51回衆院選(定数465)では、自民党が316議席を得て、単独の政党としては戦後初めて3分の2を確保した一方、中道改革連合は49議席にとどまった。衆院選結果について、慶応義塾大学の小林良彰名誉教授に聞いた。

――自民党がここまで大勝した要因は。

小林良彰・慶応義塾大学名誉教授 物価高で生活の将来不安が高まり、国力もかつての強さが失われている中、「強いリーダー」というイメージづくりに高市早苗首相は成功した。この現象は、米国のトランプ大統領やイタリアのメローニ首相の誕生と共通している。

全国の有権者を対象に実施した投票行動研究会の調査では、ユーチューブを利用する頻度が高い人ほど高市政権を支持している。SNSを主な政治情報源としている有権者が自民に投票した割合は、中道の5~6倍だ。選挙期間中、高市首相に関しては新聞やテレビの取材に答えるよりも、SNSやネット上の発信が強く見られたが、その効果は大きかった。

有権者が高市政権の経済政策を積極的に評価していたわけではなく、「評価している」と「評価していない」は同程度だ。丁寧に説明することよりも、イメージづくりに成功し、強いリーダーへの期待が投票行動に結び付いたと言える。

――中道については。

小林 前回の衆院選で公明と立憲民主両党が比例区で計1752万票を獲得したのに対し、今回、中道が比例区で獲得したのは1043万票。公明と立憲の相乗効果は見られなかった。

前述の調査では、昨年の参院選比例区で立憲に投票した有権者のうち、今回、小選挙区で中道に投票した割合は50%強。同じく昨年の参院選比例区で公明に投票した有権者のうち、今回、小選挙区で中道に投票した人は約50%だった。これまで公明や立憲に投票していた、熱心な支持者以外の有権者は離れたようだ。

――中道の支持が広がらなかった要因は。

小林 何より急な解散・総選挙で新党づくりが間に合わなかったことが挙げられる。今の若年層は政党・政治家は自分たちと対等の立場にあると考える傾向がある。特に若い立憲支持者から見れば、トップダウンによる急な政策変更が受け入れられなかった。党名の「中道」も理念的で、なじみのない若年層に浸透する時間がなかった。

一方、得票率と議席占有率がこれほどずれた選挙はかつてない。小選挙区の得票率は自民49%に対し中道22%だが、議席占有率は自民86%、中道2%だ。民意をより的確に反映する選挙制度を議論する必要がある。

■政策形成は市民と政党の双方向型で

――中道への期待は。

小林 高市政権が掲げる経済政策は米国の動向に左右され不透明だ。外交・安全保障政策も、現実的な対応が求められる。中道には、現実的な政策の調整弁としての役割を果たしてもらいたい。そのために幅広く市民の意見をくみ取り、双方向コミュニケーションによるボトムアップ型の政策形成が必要ではないか。

議席数が注目されがちだが、1000万人以上が中道に投票している。その期待に応えてほしい。穏健な保守やリベラルも含めて中道を大きくしていくことが、今後20年、30年先の日本政治の大きな出発点になる。

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