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【主張】育休の使い方 意欲が空回りしないよう支援を
育児休業(育休)の取得によって得た時間は、果たして有効に使われているだろうか。
育休中の男性の3人に1人は、育児や家事をする時間が1日2時間以下であることが民間の調査で分かった。目的意識の低さや家事経験の少なさが主な理由という。
国の育児休業制度は、希望すれば子どもが原則1歳になるまで仕事を休める仕組みで、子育てと仕事の両立を支援することが目的だ。育児や家事の負担が女性に偏りがちなため、特に男性の取得率アップが強く推進されている。子どもを安心して産み育てるために必要な制度であることは言うまでもない。
ただ、育休によって仕事を休んでいる男性が育児や家事に十分に関わっていないとすれば、制度の趣旨を損なうばかりか、自宅にいる男性の世話をすることで女性の負担がさらに増えることにもなりかねない。
別の調査では、小学生以下の子どもがいる女性の半数以上が、パートナーの男性に「育休を取得させたくない」と回答した。育休取得による減収の懸念に加え、「男性は頼りにならない」と感じている女性が少なくないようだ。
一方、「イクメン」という言葉に象徴されるように、子育てへの積極的な関与を望む男性は増えているといわれている。しかし実際は、やる気があっても、何をどうすればいいか分からず空回りしているケースも多いのではないか。
必要なことは、男性の意欲を具体的な行動につなげるための支援であろう。
ある企業では、育休の目的や男性の役割などを男女で話し合うためのツールを作成し、男性社員が育休を取得する際に活用を促している。
育休中の男性に女性が何を求めているのか、男性自身はどんな育休を望んでいるのかなどについて、可視化し共有することは育休を有意義なものとするに違いない。こうした取り組みを国や自治体も後押ししてはどうか。
育休は取得率向上ばかりに目が向きがちだが、量と質をともに高めてこそ本来の目的にかなう。冒頭の民間調査では、育休を通じ「絆が深まった」との声もあった。育休を男女の信頼関係を強める機会とすることも重要だ。









