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2026年2月13日

【主張】オーバーツーリズム 政府は効果的な対策の普及を

観光が日本経済をけん引する産業として定着する中、オーバーツーリズム(観光公害)の問題が深刻化している。観光産業の持続的な発展には、訪日外国人客を受け入れる体制の強化と、住民生活の質の確保との両立が必要だ。

観光庁は先月30日、交通政策審議会(国土交通相の諮問機関)の分科会に、新たな観光立国推進基本計画の素案を示した。同計画は訪日客数などの目標や、その達成に向けた取り組みを掲げたもので、今回は2026年度からの5年間が対象となる。

計画案で特徴的なのは、オーバーツーリズム対策を施策の柱に掲げたことだ。

25年の訪日客は年間で初めて4000万人を超え、訪日客の消費額も約9.5兆円と過去最高となった。

その一方で、一部の都市や観光地に訪日客が集中した結果、交通渋滞の悪化やごみ問題など住民生活に悪影響を及ぼす課題が顕在化している。このため計画案では、こうした問題に効果的な対策を講じることができなければ、さらなる訪日客の受け入れに「国民の理解は得られない」と強い危機感をあらわにしている。

具体的な対策として計画案には、オーバーツーリズム対策に取り組む地域数を初めて目標に掲げ、25年の47地域から30年までに100地域に倍増させると明記した。観光庁は渋滞やマナー違反対策などを行う地域を支援するモデル事業を実施しており、対象地域をさらに拡大する方針だ。

既に対策を実施している京都市では、訪日客向けの観光特急バスを導入し、住民が乗る生活路線の混雑緩和に一定の成果を挙げている。政府は自治体と連携して、効果的な事例の横展開に力を注ぐべきだ。

また、訪日客が特定の観光地に集中しないよう、地方に分散させていくことも重要だ。この点、計画案には地方誘客に向けた自治体同士の広域連携に対する支援強化などを盛り込んでいる。政府は地方の魅力を海外へ発信するプロモーション活動の強化にも一層、取り組んでもらいたい。

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