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コラム「北斗七星」
建築家の村野藤吾は、最も脂の乗った50代を太平洋戦争とその後の混乱期で棒に振った。しかし、60代以降の残された時間を最大限に生かし、日生劇場や箱根プリンスホテルなど数々の名作を生み出していった◆村野は87歳の時、取材で語った。建築において、99%までは依頼主との話し合いができるが、残る1%に自身がやらない以上はできないというところが出て「その1%が時として全体を支配する影響力を持つこともある」、故に、その1%に「全力を注がざるをえない」と◆次元は異なるが、選挙も「1%」の得票差が結果の「全体を支配する」ことがある。特に、1位の候補者のみが当選する衆院小選挙区などでは、その傾向が顕著だ。「1票」差で明暗が分かれる◆マスコミでは情勢報道が盛んだが、予測に過ぎず、当たるとは限らない。有権者の意識は刻々と変化し情勢が動く。接戦になるほど、事前の世論調査から、ごくわずかな票差を読み切ることは至難の業だ◆急転直下で始まった衆院選。選挙戦はきょうとあすの2日のみ。「火事は最初の5分、選挙は最後の5分が勝負」と言われる。「あと1票」の執念の拡大が結果の「全体を支配する」。これは決して過言ではあるまい。(芯)









