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コラム「北斗七星」
インフルエンザなど感染症の流行が各地で収束しないまま、今年も花粉が飛び始めた。マスクの役割は花粉症対策に移っていくが、身を守る目的は変わらない◆SNSの匿名性も、もともとは同じような防護具だった。立場や肩書に縛られず、自由に意見を述べるための仕組みである。ところが近年、その匿名という“マスク”が、他者を攻撃したり、責任を逃れるための仮面に変わりつつある◆今、衆院選のさなかにある日本では、この問題がより深刻だ。SNS上には、候補者や政党に関する断片的な映像や印象的な言葉が飛び交い、感情をあおる投稿が拡散している。真実よりも怒りや恐怖を刺激する情報の方が広まりやすい。しかし、それに反応するたび、自身の判断力が少しずつ奪われていく◆デマを見抜くカギは「感情の揺さぶり」にある。強い言葉、極端な主張、出典のない数字――そんな投稿を目にしたら、まず一呼吸置くことが大事だ。情報の出どころを確かめ、事実と意見を分けて考える。その冷静な姿勢こそ、民主主義を守る最初の一歩である◆衆院選という節目の時期、匿名の向こう側にある責任を思い出し、どんな情報にも振り回されない“心の免疫”を鍛えたい。(杢)









