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LGBT(性的少数者)やっと認めてもらえた
パートナー制度に喜び
45組に家族とみなす受領証
横浜市
横浜市は昨年12月から性的少数者(LGBT)のカップルを公的に認める「パートナーシップ宣誓制度」を開始し、これまでに45組に受領証や証明カードが交付されている。公明党市議団(竹内康洋団長)は当事者の声を基に、2018年から議会質問を通じて同制度の実現を推進していた。
横浜市は一人一人の市民が互いに人権を尊重し合い、共に生きる社会をめざす「横浜市人権施策基本指針」を定めている。パートナーシップ宣誓制度は、この指針を踏まえ、LGBTや、さまざまな事情で婚姻の届け出をしていない市民に寄り添うためにスタートした。制度に基づく宣誓書受領証や証明カードを持っていると、市営住宅の入居申し込みや市立病院での手術の同意の際に家族として手続きが進められる。
対象は20歳以上の市内在住者や転入予定者で、パートナーの両方、またはどちらかがLGBTであること、配偶者がいないことなどが条件。また、事実婚関係にあるカップルも申し込むことができる。
希望者は、市人権課に連絡し、宣誓日時を予約。当日、本人確認書類や住民票の写しなど必要書類を持参し、同課を訪れ市に宣誓すると、宣誓書受領証と証明カードを約1時間で受け取れる。
同課の吉川正則課長によると、これまでに63組が申し込み、45組が受領証を受け取ったという(24日現在)。今後について「横浜市が性的少数者を広く受け入れていることを、さらにアピールができれば」と意気込んでいる。
神奈川県内の各地でも取り組みは進んでいる。2020年度、逗子市がパートナーシップ宣誓制度を開始する予定。すでに制度を導入している近隣の横須賀、鎌倉は逗子市と共にそれぞれが交付した受領証を互いの市内で利用できるよう連携を模索している。
LGBTの当事者から「パートナーシップ制度をつくってほしい」との声を聞いた党市議団は、専門家との意見交換などを経て、18年9月定例会で尾崎太議員が「パートナーシップ認証制度の導入を」と要請。市もこの要請を重視し、昨年9月定例会での木内秀一議員の質問に対し、林文子市長が制度実施に関する要綱について「年内に制定し、制度実施をめざしていく」と答弁していた。
党市議団はこのほど、市役所でパートナーシップ宣誓の認証式を終えた、鹿賀理恵子さん、椿久美さん(ともに通称)と懇談した。
鹿賀さんらは15年、東京都渋谷区がパートナーシップ宣誓制度を始めたとの報道を目にして以来、横浜市での同制度開始をずっと待ち望んでいたと話し、「私たちが住む地域で認めてもらって、心強い」と期待を寄せていた。