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2020年1月28日

【主張】バリアフリーの課題 制度に魂を入れるのは誰か

政府は今国会に、バリアフリー法改正案を提出する予定だ。交通機関や道路、建築物などのバリアフリー化を進めると同時に、「心のバリアフリー」についても一段と力を入れたい。

公明党の主導で交通バリアフリー法が実現して今年で20年。鉄道の駅などにエレベーターやエスカレーターの設置を促進した同法は、病院や百貨店といった公共性の高い施設のバリアフリー化を進めるハートビル法と2006年に統合され、現在のバリアフリー法となり、まち全体のバリアフリー化を推進している。

こういった施設、すなわち「ハード」の整備が着実に進む一方で、「ハート」の面における取り組みはどうか。

DPI(障害者インターナショナル)日本会議が昨年11月に発表した調査結果によると、車いすに乗ったまま乗車できるUD(ユニバーサルデザイン)タクシーに乗車拒否された車いす利用者の割合が27%に上った。

ドライバーが専用の乗降装置に不慣れなことが一因とされるが、何のためのUDタクシーなのか。ドライバーの意識向上とともに、事業者側も操作方法の研修強化に取り組むべきである。

加えて指摘したいのは、国民一般における「心のバリアフリー」だ。

路線バスでも昨年、車いす利用者の乗車を拒んだ事例が相次いだが、その理由として「車いすの乗車準備に時間がかかり、乗客から文句を言われたことがあるから」との声があったという。高齢者の約8割が「優先席を譲られないことが多い」と回答した国土交通省の調査結果もある。

大切なのは、障がいの有無にかかわらず、誰もが互いに支え合い、生き生きと暮らせる共生社会に関する国民の認識を深めることであろう。

この点、今回のバリアフリー法改正案に、市町村や学校における「心のバリアフリー」の推進が盛り込まれる方向なのは当然である。法律や制度をつくっても、そこに魂を入れるのは私たち一人一人にほかならないからだ。

東京五輪・パラリンピックの開催を契機に、「心のバリアフリー」という「無形のレガシー(遺産)」を残すことを忘れてはなるまい。 

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