公明党公明党

公明党トップ / ニュース / p50035

ニュース

2020年1月25日

持続可能な世界築く

SDGs推進に総力を
パリ協定など国際ルール順守主導も
参院本会議で山口代表

代表質問に立つ山口代表=24日 参院本会議場

参院は24日の本会議で、安倍晋三首相の施政方針演説などに対する各党代表質問を行った。公明党の山口那津男代表は、2020年代の幕開けとなる今年が「日本の未来を開く重要な一年」と力説。10年後の30年が目標達成年次である国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」や、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の実現をめざし、日本が国際社会をリードする役割を担うよう主張した。また、全世代型社会保障や防災・減災・復興、経済対策などの具体策を盛り込んだ今年度補正予算案と来年度予算案の早期成立も訴えた。

【SDGs、パリ協定】

山口代表は、気候変動対策など日本が直面する重要課題を含んだSDGsやパリ協定の目標達成に向け、「初年度に当たる本年の取り組みが正念場」と主張。「緊張感が高まる国際情勢にあって、多国間協調の枠組みや国際ルールの順守を日本が主導しつつ、持続可能な社会モデルの構築をリードすべき」と促した。

SDGsの推進に関しては、地方自治体や企業、民間団体などが一体となった取り組み強化を求めた。安倍首相は、官民の垣根を越えた連携を促進し、「日本のSDGsモデル展開の加速化を力強く推進する」と答えた。

(子育て支援)最優先、抜本的強化

【少子化対策】山口代表は「少子高齢化と人口減少が同時に進む日本では、子育て世代への支援は最優先の課題だ」と力説。政府の全世代型社会保障検討会議が夏までにまとめる最終報告で、少子化対策を柱として位置付け、抜本的に強化するよう迫った。安倍首相は「最終報告の柱として位置付け、公明党の意見もよく聞いて、しっかりと議論する」と表明した。

また、4月から実施される大学などの高等教育無償化を巡り山口代表は、中間所得層の負担軽減など、さらなる支援拡充を要請した。安倍首相は「引き続き注視、検討する」と応じた。

【防災・減災・復興】山口代表は「防災対策に女性の視点を生かすことは、子どもや高齢者、障がい者など災害弱者の視点を生かすことにつながる」と指摘。防災計画や避難所などの現場で女性の視点を着実に反映させるよう求めた。

また、災害時のドクターヘリの効果的な活用に向けて、広域連携が進むよう国の支援を要請。「財政を含めて最大限のバックアップを」と訴えた。安倍首相は、共同運航などの仕組みの構築が重要との認識を示し、「県境を越えた運航事例のデータ提供や、運航経費の補助などを行い、支援を進めていく」と答えた。

(新型肺炎)日中協力し拡大防げ

【新型肺炎対策、日中関係】山口代表は、中国で感染が拡大している新型コロナウイルスによる肺炎について「日中が情報共有や連携を強化し、感染拡大防止に協力すべきだ」と強調。今春の中国・習近平国家主席の国賓来日を見据え、「その環境を双方の努力で整えることが重要」と主張した。

安倍首相は、拡大防止へ連携して万全な対策を期すと力説。習主席の国賓来日に関しては「日本と中国は地域や世界の平和と繁栄にともに大きな責任を有している。その責任をしっかり果たすとの意思を内外に明確に示す機会にしたい」と明言した。

【観光先進国の実現】訪日外国人旅行者の増加を受けて山口代表は、地方への誘客や消費額の拡大に向けた取り組みを求めた。赤羽一嘉国土交通相(公明党)は、地方に寄り添う支援とともに、受け入れ環境の整備も進めていくと答弁。また、近隣諸国との観光交流の活性化に向け「本年、日本がホスト国となる日中韓観光相会合を兵庫県の淡路島で開催するよう準備している」と述べた。

山口代表の参院代表質問(要旨)

補正・本予算早期成立こそ最大の経済対策

2020年代の幕開けとなる本年は、日本の未来を開く重要な一年のスタートとなります。

今国会ではまず、日本が直面する重要課題である防災・減災・復興や全世代型社会保障制度の構築、新たな経済成長の基盤強化を大きく前に進めるため、これらが盛り込まれた19年度補正予算案と20年度予算案の早期成立に全力を挙げてまいりたい。これこそが最大の経済対策となります。

これらの課題は、20年だけにとどまらず、これからの日本を展望する上でも重要な取り組みの柱であり、この10年間が日本の将来を決定付けると言っても過言ではありません。

また、これらの課題を包含した国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」や地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」の目標達成年次は10年後の30年となっており、その初年度に当たる本年の取り組みが正念場となります。

加えて本年は、56年ぶりの東京五輪・パラリンピックが控えています。世界の注目が日本に集まる中、多様性を尊重する共生社会の実現など今大会の成功に向けた取り組みと相まって、活力と希望あふれる日本社会の構築に向けた本格的な取り組みを加速させなければなりません。

特に「復興五輪」と位置付けられる今大会では、被災地での競技開催などを通じて災害復興を力強く進める姿を内外に発信し、勇気と希望を送る大会にしたい。

SDGs、行動の10年

はじめに、30年に向けて、本年から「行動の10年」がスタートするSDGsについて伺います。

昨年末に改定された日本の実施指針には、「ビジネスとイノベーション(技術革新)」「地方創生」「次世代・女性のエンパワーメント(内発的な力の開花)」の3本柱を中核とする「日本のSDGsモデル」展開の加速化が掲げられています。

地方自治体や民間企業など多様な担い手が一体となったオールジャパンでの取り組みが必須であるとして、「公共と民間の垣根を超えた連携の推進」が重要と指摘しています。

これまでSDGs推進に向けて民間団体などと交流を重ねてきた公明党も同様に考えます。

 

教育費負担軽減さらに

少子化対策

人生100年時代に対応し、誰もが安心して暮らすことのできる全世代型社会保障制度の構築に向け、年金、医療、介護などの制度改革を着実に進める必要があります。

今国会では、年金、介護、雇用などの法案提出が予定されていますが、順次、改革を進め、若者から高齢者まで、お一人お一人の活躍を最大限に後押ししていくべきです。

とりわけ、少子高齢化と人口減少が同時に進む日本では、子育て世代への支援は最優先の課題です。

少子化の問題は、教育費など経済的な負担や、仕事と子育ての両立の難しさ、子育て中の孤立感や負担感、出会いの機会の減少、年齢や健康上の理由など、さまざまな要因が挙げられます。重要なことは、こうした要因を着実に解決して、希望する女性や若い世代が安心して子どもを産み育てられる社会をつくることです。

政府が夏までにまとめる全世代型社会保障の最終報告では、少子化対策を柱としてしっかりと位置付け、抜本的な強化に取り組むべきです。

保育の質の向上

少子化が進むさまざまな要因がある中で、多くの方が教育費の負担軽減を望んでいます。

昨年10月から幼児教育・保育の無償化が始まり、喜びの声が多数寄せられる一方、保育の質や保育士不足などの課題も指摘されました。そこでわが党は昨年末までに「幼児教育・保育の無償化に関する実態調査」を行いました。

この調査の中間報告では、利用者の約9割が無償化を評価し、今後取り組んでほしい一番の政策について、約5割の方が「保育の質の向上」を挙げています。また、保育の質を高めるために、「処遇改善」が必要と答えた事業者が約8割に上りました。

この結果を踏まえ、政府においては、保育士などの処遇改善や職員配置の改善に必要な安定的な財源確保などに取り組んでいただきたい。

さらに、共働き世帯が増える中、夜間の保育ニーズが高いことも分かりました。夜間保育所に加え、小学校に上がってからも預け先が確保できるよう、受け皿整備を進めていくべきです。

高等教育の無償化

幼児教育に加え、本年4月からは、わが党が推進した「私立高校授業料の実質無償化」「高等教育の無償化」も実現します。これまで自治体独自で実施してきた私立高校授業料の支援は、国からの補助が加わることで、自治体におけるさらなる拡充に向けた環境が整います。東京都のように、子ども3人以上の世帯は、収入に関係なく授業料の負担軽減を行うなど、多子世帯への支援も期待できます。

高等教育無償化についても、多子世帯や中間所得世帯の負担に配慮した取り組みが求められています。高校などの専攻科についても、4月から教育費の負担軽減が実施されますが、今後さらなる拡充を検討していくべきです。

自助・共助の取り組み促進を

命守る防災・減災

昨年は台風災害が相次ぎ、各地で甚大な被害をもたらしました。

被災地では、今も損壊したままの自宅や仮設住宅で暮らす方々が数多くいます。農林漁業者や中小事業者の方々は厳しい状況の中、将来不安を抱えながら奮闘しています。一昨年、発生した豪雨、地震被害などの被災地もいまだ復興途上にあります。

被災現場のニーズや課題は常に変化し多様化しており、こうした状況にきめ細かく対応しながら、被災者が希望をもって、安心した生活を取り戻せるよう全力を挙げるべきです。

昨年の台風災害において公明党の議員は、被災現場を奔走し、そこで寄せられた数多くの声を、国と地方の議員ネットワークを生かして直接、政府に届けてきました。

こうした現場の声を踏まえ、被災地の早期復旧・復興や、次の台風襲来に備えた「風水害対策」を促進するための施策が、今年度補正予算案と来年度予算案に盛り込まれています。両予算案の早期成立と円滑な執行が重要です。

首都直下地震や南海トラフ地震など大規模地震による広域災害も常に懸念されており、さまざまな緊急事態を想定した万全な危機管理体制の構築とともに、防災・減災、インフラ老朽化対策を強力に進めなければなりません。

女性の視点を生かす防災対策

被災自治体のこれまでの災害対応の経験や教訓を、被災経験の少ない自治体など全国の自治体と共有し、今後の防災対策に生かすことが重要です。

例えば、ハザードマップ(災害予測地図)の住民への周知と避難につながる活用、避難情報の発令と伝達、避難所の適正配置、災害弱者の個別避難計画の策定など「災害対応力の強化」に向け、徹底した検証と対策を進めなければなりません。

私は昨年、台風19号の被災地に女性議員とともに行った際、一人の女性被災者から「避難所に女性スタッフがおらず、女性ならではの相談がしにくい」との声を聞きました。すぐにその声を市長に届け、速やかに市内全ての避難所に女性スタッフが配置されました。

防災対策に「女性の視点を生かす」ことは、子どもや高齢者、障がい者など「災害弱者の視点を生かす」ことにもつながります。防災計画などへの反映とともに、避難所における現場でも着実に実行すべきです。

災害を「わがこと」に

災害に強い社会を構築する上で、産業界や学術研究機関などとの連携も重要です。近年、防災・減災に役立つ技術や製品の開発が活発化しています。

防災関連産業や研究開発などの振興は、国民の防災意識を啓発し、自助・共助を促し、発災時には国民の命と暮らしを守るとともに、早期の復旧・復興にもつながります。

災害から命を守るために最も重要な視点は、「防災・減災・復興」を社会の主流に押し上げ、災害を「わがこと」として捉える当事者意識を国民一人一人が持つことです。それは、災害に強い社会の構築に向けた大きな土台となります。

そのためには、防災教育をはじめ、住民の避難行動につながるマイ・タイムライン(自分の防災行動計画)や災害避難カードなどの活用、地域における自主防災組織、地区防災計画などの自助・共助の取り組みを全国各地で促進すべきです。

ドクターヘリの効果的活用

近年、頻発する災害や将来、起こり得る大地震を想定した場合、ドクターヘリの重要性はますます高まっています。

公明党は、03年の衆院選公約にドクターヘリの全国配備を盛り込むなど、生命尊厳の観点から一貫して取り組んできました。07年には、公明党の主導で「ドクターヘリ特別措置法」が成立したことにより、全国配備が飛躍的に進みました。現在、全国で53機が導入されましたが、まだ配備されていない地域の一つである東京都においても、導入に向けた取り組みが始まりました。

空白地域が解消され、実質的な全国配備が進むことを見据え、広域連携や災害時の効果的な活用ができるネットワークづくりと、それらの財政的な支援を含め最大限のバックアップをお願いしたい。

50年めどにCO2排出ゼロへ

温暖化防止

今や日本は「地球温暖化の被害国」です。

災害のレベルが上昇している現状を深刻に受け止め、日本が地球温暖化の防止に本気で取り組み、世界をリードしていかなくてはなりません。わが国は、50年を視野にCO2(二酸化炭素)の排出を実質なくすことをめざすべきです。

石炭火力発電については、新増設を認めないなど大胆な対策に取り組む時です。

50年までにCO2排出実質ゼロを表明する自治体も増え、その数は、51自治体、人口で約4900万人にも上ります。こうした自治体の行動も日本全体のCO2実質ゼロ達成に向けた大きな力となります。

本年、パリ協定が本格始動しましたが、世界全体のCO2削減に貢献できる市場メカニズムのルール決定は、次のCOP26へ先送りとなりました。政府は、公平なルール作りに力を尽くすべきです。

森林吸収源対策も重要です。森林環境譲与税なども活用し、間伐、再造林など適切な森林整備を行うべきです。

再生可能エネルギーの主力電源化

再生可能エネルギーの主力電源化は、電力の安定供給を支え、温暖化対策を進める重要な取り組みの一環ですが、普及促進に向けては、送電網の空き容量不足などの課題も指摘されています。

こうした中、昨年ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏は、発電量が不安定な再生可能エネルギーには、蓄電システムが必要不可欠であり、リチウムイオン電池や同電池を搭載した電気自動車の普及がその切り札になるとの認識を示しています。

現在、産学官連携の下、リチウムイオン電池の性能を大幅に向上させる全固体電池などの革新的な研究開発が進められていますが、こうした取り組みをさらに加速させ、車載用としても活用できる耐久性などに優れた蓄電池の普及促進に取り組むべきです。

併せて、既存の送電網を最大限に活用しつつ、さらなる増強を行うなど、再生可能エネルギーで発電された電気を最大限融通できる環境整備を進める必要があります。

日米が緊密に連携し、北朝鮮の非核化粘り強く

外交、国際貢献

今月19日、日米安全保障条約は改定から60年の節目を迎えました。これまで日米同盟が、アジア太平洋地域の平和と繁栄に果たしてきた役割は極めて大きく、北朝鮮問題など日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中にあって、その重要性はより一層高まっています。

昨年末、金正恩朝鮮労働党委員長が核実験やICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射の再開を示唆したことで、朝鮮半島情勢の緊張が再燃しつつありますが、こうした北朝鮮を巡る諸課題を前に進める上でも日米の緊密な連携と同盟の深化が重要です。政府には、米朝協議を後押ししながら、北朝鮮の完全な非核化に向けた取り組みを粘り強く進めていただきたい。

日米同盟の意義について改めて確認するとともに、拉致問題の解決を含め北朝鮮問題に今後どのように対処していきますか。

コロナウイルス 日中の協力重要

日中両国は、今や、アジアそして世界の平和と繁栄に欠かせない大きな責任と役割を共有しています。両国が共に、その責任と役割を果たしていくことが、国際社会から強く求められているところです。

現在、中国では新型コロナウイルスが原因とみられる感染症が拡大していますが、こうした時こそ、日中が情報の共有や連携を強化し、感染拡大防止に向けて協力すべきです。春節の連休期間にも入り、訪日客の増加も予想される中、WHO(世界保健機関)の判断を踏まえ、政府としても万全の対策をお願いしたい。

今春には習近平国家主席の国賓としての訪日が予定されており、対抗や競争ではなく、協調と協力への日中新時代を構築していくため、その環境を双方の努力で整えていくことが重要です。

首相は先月、韓国の文在寅大統領と約1年3カ月ぶりとなる首脳会談を行いました。旧朝鮮半島出身労働者問題などで厳しい関係が続く中、率直な話し合いができたことは、関係改善に向け、前進であったと評価します。

首相が述べている通り、韓国は、元来、基本的価値と戦略的利益を共有する最も重要な隣国です。関係改善に向けて日韓双方が努力していくことを切に望みます。

ミャンマーの安定と発展に向けて

先月、私は党として初めて公式にミャンマーを訪問しました。

アウン・サン・スー・チー国家最高顧問との会談では、ラカイン州情勢を巡る人権侵害疑惑に対する適切な措置と避難民帰還のための環境整備が極めて重要であることや、ミャンマー政府が設置した独立調査団がまとめた最終報告書を真摯に受け止め、その勧告を踏まえた法的措置を速やかに取ることが必要だと指摘しました。

ミャンマー政府は、この報告書を踏まえ、問題の捜査、訴追を進めるとしており、ミャンマー自身による責任追及に向けた重要な進展と考えます。日本としてもラカイン州の状況改善のため、公平で客観的な姿勢でミャンマーの取り組みを支えていただきたい。

スー・チー国家顧問からは、これまでのインフラ整備や教育などに対する日本の支援に「大変に感謝する」との言葉が寄せられ、日本への信頼と期待は極めて大きいと感じました。

多様な人材活躍へ環境整備

活力ある日本

観光先進国

東京五輪に向けて訪日外国人のさらなる増加が見込まれる中、「観光先進国」の実現は、内外の需要喚起や消費活性化を図る上で重要な取り組みとなります。

わが国の訪日外国人旅行者数は、すでに3000万人を突破し、訪日外国人の旅行消費額は4兆円を超えました。欧米など幅広い国へのさらなる訪日プロモーションや受け入れ環境整備、地方誘客の取り組みとともに、観光収入の拡大に向けた訪日外国人「1人当たりの旅行支出」を上げるため、新たな観光コンテンツを広げることも重要です。オーバーツーリズム(観光公害)や災害時の外国人支援などの対策強化も一層進めるべきです。

訪日外国人旅行者数6000万人の実現をめざし、まずは4000万人の着実な目標達成とともに、地方への誘客や消費額のさらなる拡大に向けてどう取り組みますか。

科学技術・文化芸術立国の実現

近年、日本の研究力の相対的な低迷が指摘される中、わが国の中長期的な成長を考えると、世界トップレベルの研究力を維持し、新たなイノベーションの創出を後押しする環境整備が重要です。21年度から始まる第6期科学技術基本計画の策定に向け、積極的に準備を進めていただきたい。

中でも、若手研究者への支援は喫緊の課題です。

昨年、ノーベル賞を受賞した吉野氏は、公明党の会議で、基礎研究の重要性とともに、歴代のノーベル賞受賞者が、その研究を始めた平均年齢が30歳代半ばであることに触れ、若手研究者への支援の重要性を訴えました。

科学技術の振興は未来への投資です。未来を担う若手研究者が「安定」と「自立」を確保し、腰を据えて研究に専念できる環境整備を急ぐべきです。

昨年は、沖縄・首里城の主要な建物が火災で焼失しました。これを受け、政府は、世界遺産や国宝など文化財建造物の防火対策強化に向けた「5カ年計画」を策定しました。

文化財は日本の宝であるとともに、日本の魅力を発信し、インバウンド(訪日外国人客)のさらなる取り込みに向けた重要なツールでもあります。現在、五輪開催に伴う「文化プログラム」として全国各地で日本文化を紹介する「日本博」も行われていますが、その宝を後世に継承できるよう対策に万全を期すべきです。

共生社会とバリアフリー

共生社会の実現に向けた取り組みも大きく進めなければなりません。一昨日、私は障がい者団体の方々とお会いした際、皆様から近年のバリアフリー政策に評価を頂く一方で、まだ多くの課題が存在することを伺いました。

例えば、災害時に避難所となる学校施設、新幹線や小規模店舗などハード面のバリアフリー化に加え、鉄道、バス、タクシーなど公共交通事業者における声掛けや見守り、車イスの乗車方法に関する事業者の習熟など、ソフト面のバリアフリーの課題も浮き彫りとなりました。

併せて、視覚や聴覚などに障がいのある人のコミュニケーション手段の確保もソフト面の課題です。自治体レベルでは、障がい者の情報取得や多様なコミュニケーション手段を利用しやすい環境整備に向けた条例の制定も進んでおり、国においても、言語や情報伝達手段の法的位置付けをはじめ、必要な体制整備などを盛り込んだ法整備の検討を進めるべきと考えます。

先日、お会いした日本パラリンピック委員長の河合純一さんは、次のように述べています。

「オリンピックは『平和の祭典』とよく言われますが、パラリンピックは『人間の可能性の祭典』だと思います」

また「英語のimpossibleは『不可能』との意味ですが、iとmの間にアポストロフィーを入れると、I’m possible、『私はできる』になる。『できない』が『できる』になる。パラリンピックはそれを示す舞台です」と。

東京五輪・パラリンピック大会は、「真の共生社会」を広げる大きな契機となるはずです。心のバリアフリーを進め、誰もが利用しやすい社会インフラを整備することは、未来に受け継ぐべき大会のレガシー(遺産)として極めて重要です。

氷河期世代支援と非正規の待遇改善

多様な人材の活躍が社会の活力の源泉です。公明党は、「就職氷河期世代」の支援に一貫して取り組んできました。雇用状況の改善も相まって、同世代のフリーター数は10年間で約36万人減少しましたが、現在もなお、約50万人の方が不本意に非正規雇用で働いており、約40万人は無業です。

こうした方々が、長期間、厳しい現実に直面しながら奮闘されてきたことを重く受け止め、これまでの経験や能力を生かして活躍できるよう、人生100年時代を展望したキャリアアップ支援をさらに進めるべきです。

政府は昨年、この世代の正規雇用を3年間で30万人拡大するなどの「支援プログラム」を策定しましたが、その実効性を高め、着実に取り組んでいただきたい。

本年4月からは、大企業における正社員と非正規雇用の不合理な待遇差が禁止されます。就職氷河期世代を含め、非正規雇用の待遇改善につながるよう、円滑な施行に万全を期すべきです。

地方創生第2期

本年から、地方創生の第2期がスタートします。

これまでの第1期では、地方の若者の就業率や農林水産物などの輸出額が増加するなど、仕事の創生については一定の成果が出ています。さらなる地方の課題解決に向けては、これまでの実績を踏まえた実効性ある取り組みが重要です。

地方公共団体の主体的な取り組みを支援する「地方創生推進交付金」については、地方での就業・起業をさらに進めるため、地方公共団体がより活用しやすい制度に改善すべきです。地方に一定期間移住し、地域事業に従事する「地域おこし協力隊」は、任期終了後の定住・定着支援の強化が必要です。

加えて、地方創生の新たな潮流となるSociety(ソサエティー)5・0の推進、中でも、地域の課題解決策として期待される「ローカル5G」については、積極的に取り組む地方への支援を強化すべきです。

安倍首相の答弁=要旨

【安倍晋三首相】

一、(教育の負担軽減について)公明党が提案した私立高校授業料の実質無償化に加え、高校などの専攻科の就学支援についても、4月からの着実な実施に取り組む。

真に支援が必要な子どもたちの高等教育の無償化を実施できるよう、万全の準備を進めている。支援対象の基準として、扶養する子どもの数が反映される課税所得を用いるなど、多子世帯への配慮を行う。子どもたちの未来に大胆に投資し、誰もが家庭の経済事情に関わらず、夢に向かって頑張ることができる社会をつくる。

一、(ドクターヘリへの支援について)効果的な活用の観点から、国として都道府県に対し、県境を越えたドクターヘリの運航事例などの必要なデータの提供や、運航経費の補助を行い、広域連携を含めたドクターヘリの導入支援を進める。

一、(新型コロナウイルス対策について)中国政府や関係機関との情報共有や連携を強化するとともに、春節の期間に入り、訪日客の増加が予想される。WHOの判断も踏まえ万全の対策を取る。

一、(ミャンマーへの支援について)ミャンマーの安定は地域全体の繁栄に直結する。日本は、同国の民主的な国づくりを官民挙げて全面的に支援してきている。

難民帰還の促進や、人権問題を含むラカイン州情勢の改善に向けた取り組み、少数民族との和平のための対話促進や復興開発支援、社会の持続可能な発展や民間投資の促進を後押しすべく、同国の安定と繁栄に向け力強く支援していく。

一、(地方創生第2期について)5Gは、自動運転や遠隔医療などを可能にすることから、人材不足や高齢化など地域が直面する課題の解決に大きく寄与する。地方創生の切り札であり、大胆な税制措置などで、速やかに全国展開を図る。地方におけるさまざまな利活用に向けたチャレンジも支援していく。全国津々浦々、魅力と活力あふれる地方をめざし、地方創生の新しい時代をつくり上げていく。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア