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コラム「北斗七星」
葉加瀬太郎が高校生の時、イタリアでオペラを一番安い700円の席で観て、隣のおじさんがソプラノの歌声に立ち上がって「ブラボー!」と叫び拍手を送り、涙を流し全身で喜びを表す姿に衝撃を受けたという(アルバム『ALL TIME BEST TARO HAKASE』)◆先日、彼のコンサートに足を運んだ。ステージを縦横に動き回り全身でバイオリンを弾きまくっている。何としても聴衆を喜ばせずにはおかないという気迫だ◆300年前に作られたバッハの曲もアレンジして聴かせてくれた。樋口隆一・明治学院大学名誉教授によれば、「(バッハは)自分が死んでも自分の芸術を分かってくれる人たちのために、作品を書こうと考えたに違いない」(テンミニッツTV)◆ストラディバリウス(バイオリン)も、製作から300年経った今も、世界で名演奏者に愛用されているが、葉加瀬は「(製作者の)ストラディバリ自身も、そう思って作っていると思います。楽器によっては、そういうものを感じるんです」(『SWITCHインタビュー達人達』NHK制作班著)と◆バッハやストラディバリの気迫を知る。そしてきょう52歳になる葉加瀬の『情熱大陸』を聴きながら、今の政治を思う。誰が、数百年も先まで希望を届けるとの気迫で闘っているか。公明党の使命は重い。(三)