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保育士の時間と心にゆとり
電子化で事務負担軽減
来年3月までに 全市立保育所に導入
茨城・取手市
保育士の負担を軽減し、保育の質を向上させるため、茨城県取手市は、市内に6カ所ある市立保育所で、帳票作成や登降園管理などの事務作業を電子化し、大幅な時間短縮をめざしている。今月は、市立井野なないろ保育所に子ども施設向けICT(情報通信技術)システム「CoDMON」(コドモン)を導入。来年3月までに全保育所にICTシステムを取り入れる。市議会公明党の、さいとう久代幹事長、そめや和博、おちあい信太郎の各議員、久保田ますみ党副支部長(いずれも市議選予定候補)と阿部洋子市議が井野なないろ保育所を視察した。
働きやすい環境つくりサービスの質向上へ
担当者からICTシステムの説明を受ける久保田党副支部長(手前左)と市議会公明党のメンバー(左側4人)
このICTシステムは、タブレット端末に対応し、保育所や幼稚園などの運営に役立つ機能を備える。取手市は保育士の煩雑な業務を効率化して労働環境の改善につなげ、子どもたちと向き合う時間と心のゆとりを持ってもらうため、導入に踏み切った。
登降園時間の記録や、延長保育料の計算は、保育所の入り口に設置された専用のカードリーダーにICカードを打刻すると自動で算出。また、時間外業務で対応しがちな年間計画表や日誌の作成なども手書きから簡単な入力作業へ切り替わり、時間が大幅に短縮され、同システムを開発した株式会社コドモンの担当者は「電子化により約3分の1に短縮される」と説明する。
さらに、体調不良に伴う遅刻・欠席の連絡や、園からの配布物の確認などは、今後、ICTシステムと連動した保護者アプリを運用する予定。これを利用することにより、保育所と連携しやすくなる。
同社のインターネット調査によると、コドモンを導入した各地の施設で働く保育士ら134人のうち、約93%が業務の効率化、負担軽減につながったと回答した。
取手市が導入を決めた背景には、深刻な保育士不足がある。同市は都心への通勤圏内に位置し、給与などの待遇が良い東京都内や、その周辺地域へ働き口を求める人が少なくない。藤井信吾市長は「良質な保育士を確保するためには、働きやすい環境づくりが必要」と強調する。
実態調査踏まえ公明が対策推進
公明党が推進し、昨年10月に始まった「幼児教育・保育の無償化」。開始後の現場の実態を探るため、党は同11月に全国の利用者と事業者にそれぞれアンケートを実施した。同12月の中間報告では、利用者の約66%が「保育料の負担が減った」と答える一方、今後取り組んでほしい政策は「保育の質の向上」が約47%と最多だった。
また、事業者の約59%が「事務負担が増えた」と回答。「保育の質向上」という利用者のニーズに応えるためにも、経理や申請手続きなどの業務負担を軽減することが課題に挙がっている。
市議会公明党は2018年6月の定例会で保育士不足の解消を訴えるなど、一貫して保育環境の充実を後押ししてきた。さいとう幹事長は「ICTシステムの導入で、業務負担が軽減し、保育士の確保につながってほしい」と強調。行政側としても「自治体に提出する書類の作成業務などの省力化を推進したい」と語っていた。









