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手記 列国議会同盟会議(セルビアで開催)に参加して
持続可能な世界へ連帯を 気候変動への対応など訴え
参院議員 矢倉 克夫
10月、セルビア共和国の首都ベオグラードで開催された第141回列国議会同盟会議(IPU)に党を代表し参加しました。IPUは、約140カ国から700名以上の国会議員が参加する130年の歴史を持つ国際会議です。
会議の期間中、私は、多くの会合で世界の「持続可能性」と議会人の「次世代への責任」をキーワードに、食品ロスから防災・減災まで幅広く発言し、世界の議会人の連帯を訴えました。特に力を込めたのは、気候変動とエネルギーの問題です。
国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)関連の小会合で、多発する災害の背景は温暖化であると指摘。私たちには次世代に持続可能な社会を譲り渡す責任があり、気候変動への対応は決してコストではないと強調しました。その上で、福島県の取り組みを例に挙げ、二酸化炭素(CO2)を一切排出しない水素を活用したエネルギーの普及、蓄電による脱炭素社会の実現を訴えました。
会合後、議長を務めていたチリの上院議員が私に駆け寄り、この提案をCOP25に合わせて議員会議で採択しようと呼び掛けてきました。
シリア情勢やカシミール問題など国益がぶつかり、ののしり合う会合もありましたが、信念の訴えに国益を超えて共鳴し合う場面もありました。
最終日、私は、全参加国が集まる本会議で、協調と共栄を理念とする多国間協調主義を守るとともに、「核のない未来」の実現への決意を述べました。その後、ある核保有国の議員が私に握手を求め、「共に頑張ろう」と述べてくれたことは、議員外交の重要性を教えてくれるものでした。
「現場を走り世界に挑む」――。今後も、議員間のさらなる交流を図り、平和と安定の礎をつくるべく世界に挑みます。