ニュース
【主張】個人情報の活用 介護、医療分野の進歩に必要
個人情報の保護と利用のバランスをどう取るか――難しいテーマであるが、真剣に取り組まなければならない時代に入っている。
特に、高齢化が進む日本にとって、介護、医療分野の技術革新は待ったなしだ。その研究開発のために個人情報が役立つのであれば、個人情報の保護を徹底した上で、活用を進める制度の構築が欠かせない。
政府は、来年に予定している個人情報保護法の改正に向けた制度改正大綱を公表し、1月14日までパブリックコメント(意見公募)を実施している。その中で注目を集めているのが、「仮名化情報(仮称)」の創設である。
仮名化情報とは、本人が識別できる個人情報と、本人が誰か全く識別できないようにされた匿名加工情報との中間的な位置付けの情報だ。具体的には、個人情報に記載されている氏名を、ID番号などに置き換える。これによって、さまざまな個人情報をつなげて体系的に分析することが可能になる。
例えば、ある人の健康診断のデータ、病気治療のデータ、治療後の定期診断のデータを仮名化しておけば、それらのデータはすぐにつながり、健康な状態からどのように病気が発症し、治療を受けた後どうなったかまで一貫して研究することが可能になる。
この結果、先進的なヘルスケアシステムが開発されたならば、国民一人一人にとってのメリットになるだけでなく、新たな介護用機器や診断支援ソフトなどの開発も期待でき、介護、医療の現場で働く人の負担軽減や働き方改革にも貢献できる。
間違っても仮名化情報が漏洩し、他のデータと組み合わされて本人が特定されることのないよう、仮名化情報は匿名加工情報と違って第三者への提供は認められず、事業者内部での分析に限られる。
近年の情報技術の発展によって、国民一人一人の健康情報など膨大なデータ(ビッグデータ)であっても処理が可能となり、そこから新たな知見を得ることができるようになった。まさにデータは「宝の山」だ。
国際レベルの情報保護の下で、国民に不安感を与えないデータ活用を期待したい。









