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【主張】中小企業の事業承継 経営者保証への不安和らげよ
黒字経営にもかかわらず後継者が見つからないため倒産の危機にある中小企業にとって、事業承継の実現に向けた追い風となろう。
政府は2019年度補正予算案に、事業を引き継ぐ経営者が、個人保証に対する不安を和らげられるよう支援策を盛り込んだ。公明党が主張してきたものだ。
中小企業が金融機関から融資を受ける際、経営者自身に個人保証を求められることが多い。個人保証をすると、会社の資金で返済できない場合は経営者の私財で返さなければならない。
この経営者保証の問題は、事業承継を考える後継者候補が二の足を踏む大きな要因となっており、対策が求められていた。
今回、補正予算案に盛り込まれたのは、経営者保証の問題に対応するコーディネーターを各都道府県に設置する事業である。
このコーディネーターは、後継者候補が経営者保証の対象から外れるために必要な、全国銀行協会などが定めた要件を企業が満たしているかどうかを診断する。
診断結果を受け、企業が財務状況の改善などに取り組めば、経営者保証が解除される可能性もあるのだから、コーディネーターが支援する意義は大きい。既に実現している贈与税や相続税の猶予制度とともに、事業承継の促進に役立つことを期待したい。
経営者保証については、金融機関にも一考の余地があるのではないか。
融資をする金融機関にとって、債権を確実に回収する手段が必要であることは理解できる。ただ、成長が見込める企業であっても、中小企業であるというだけで慣例的に経営者保証を求めてはいないか。融資先の将来性を見極める「目利き力」を磨くことにも努めてほしい。
機関保証の活用も有効だ。政府は来年度から、一定の要件を満たせば個人保証なしで信用保証協会が債務保証する制度を新設する。より多くの中小企業が利用できるような制度設計を求めたい。
日本経済を支える屋台骨である中小企業のうち、127万社が後継者難に直面している。事業承継支援に一段と力を入れる必要がある。









