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【主張】被爆国の責任 核廃絶のリーダーの自覚を持て
2021年1月22日に核兵器禁止条約(核禁条約)が発効してから間もなく5年になる。
史上初めて核兵器を国際法違反と定めた条約の誕生によって、人類は新しい時代を開いた。
現在、核禁条約の加盟国は74カ国で署名国も合わせると99カ国。これは世界196カ国の過半数だ。核の非人道性は確固たる国際世論である。今、唯一の戦争被爆国である日本の振る舞いが注目されている。
核禁条約の発効後、ロシアは公然と核による威嚇をし、米国は核実験の再開に言及、中国も核軍拡に突き進む。北朝鮮も核開発をやめない。こうした「核による秩序」をめざすかのような動向に対し、世界が模索しているのは、核の非人道性に基づく「核に依存しない安全保障」である。日本はその議論のリーダーとなるべきである。
ところが自民・維新の連立政権は、国家安全保障戦略など安全保障関連3文書を今年中に改定する方針を表明し、それに関して高市早苗首相は、国是としてきた「持たず」「作らず」「持ち込ませず」の非核三原則を堅持するとは明言していない。それどころか昨年末、官邸の高官から日本の核武装論まで出たことが報じられた。
厳しさを増す国際安全保障環境に対応するため、ただ軍事力だけを頼りに状況の改善をめざそうとする安保戦略では、逆に、日本を国際社会の不安定要因にしてしまう。
公明党も策定に参画した22年閣議決定の国家安全保障戦略は、主権を守り国際秩序を強化するための手段として外交力第一、防衛力第二、経済力第三、技術力第四、情報力第五と定めた。軍事偏重はこの方針と異なる。特に非核三原則に変更を加えることによる外交的損失は大きい。
核武装なら核不拡散条約(NPT)から脱退。米国との核共有もNPTの疑義を生じさせるため、日本が築いてきた平和国家としての国際信用は地に落ちる。
核を巡る短絡的な議論を阻止しなければならない。









