ニュース
【主張】COP25閉幕 石炭火力削減へ議論本格化を
課題解決に向けた道のりの険しさが改めて浮き彫りとなる会議だった。
スペイン・マドリードで開かれていた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が閉幕した。
地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が来年から実施期間に入るのを前に開かれた今回の会議では、二酸化炭素(CO2)の排出削減量を国際的に取引する「市場メカニズム」の実施ルールについて合意できず、来年に持ち越しとなった。
パリ協定の大枠は既に決まっており、ルール先送りの影響は大きくはない。しかし、気候変動による異常気象や自然災害が深刻化する中、危機感を共有すべき国際社会が一致した姿勢を示せなかったことは残念だ。
一方、協定の下で締約国が提出している温室効果ガスの削減目標について、各国が再提出する2020年に目標の上積みを促す成果文書が採択された。対策の機運をさらに高める点で意義はある。
ここで重要なことは、合意内容の実効性確保である。
温室効果ガスの排出量は、中国や米国、インドなど上位10カ国で全排出量の約3分の2を占める。こうした国が排出削減に本腰を入れなければ対策は前進しない。
日本も例外ではない。温室効果ガスの排出量は、5年連続で過去最少を記録しているものの、COP25では石炭火力発電に対する日本の姿勢に批判が集まった。
石炭火力の削減は、今や世界の潮流である。国の第5次エネルギー基本計画で、非効率な石炭火力発電はフェードアウト(徐々に消滅)させるとしている。削減に向けた取り組みを明確にするための議論を急ぐべきだ。
同時に、主力電源化を掲げる再生可能エネルギーの普及によって脱炭素化を加速させる必要がある。そのためには、電源全体に占める再エネの割合を30年に22~24%にするとの政府目標の引き上げが欠かせない。
今回、議長や国連事務総長らと会談を重ねるなどして合意形成に努めたことで、日本は一定の評価を得ている。来年英国で開かれる次回会合でも、積極的な役割を果たさなければならない。









