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2026年1月16日

【主張】浜岡原発の不正 安全審査を揺るがす「ねつ造」

原子力発電所の安全審査を根底から揺るがす極めて重大な不正である。断じて許されない行為だ。

中部電力が浜岡原発(静岡県)の再稼働に向けた新規制基準への適合性審査を巡り、地震の揺れの想定(基準地震動)を過小評価していた疑いがあると5日に発表した。これを受け、原子力規制委員会は14日、法に基づく報告徴収命令と原子力規制庁による立ち入り検査を決めた。

不正の実態を徹底して究明し、二度とこうした事態を繰り返さないようにしなければならない。

基準地震動は、原発の耐震設計の根幹に関わる数値である。周辺の活断層や未知の断層による地震なども想定し、敷地への揺れの到達経路や地盤の性質を厳密に考慮して策定される。

中部電力は2014~15年に3、4号機の審査を申請。約9年の審査を経て、23年9月に規制委側から大筋の了承を得ていた。このプロセスで意図的に都合の良いデータを用いたとされる。「ねつ造」と言われても仕方なく、規制当局と国民を欺いたに等しい。

浜岡原発では昨年11月にも、安全対策工事の手続きで不正が発覚したばかりだ。相次ぐ不祥事は同社のガバナンス(企業統治)の欠如を如実に示している。今回の不正により、再稼働に向けた適合性審査の停止が正式に決定した。

国は第7次エネルギー基本計画で、脱炭素と電力の安定供給の観点から、新規制基準に適合した原発についてのみ、地元の理解を得ることを前提に再稼働を進めるとしている。今月20日には、東京電力柏崎刈羽原発6号機が、福島第1原発事故後、東電として初めて再稼働する見通しだ。

浜岡原発は南海トラフ地震の想定震源域内に位置し、耐震への関心が最も高い地域の一つである。中部電力は目先の審査合格を優先する姿勢を猛省し、組織のあり方を根本から作り直すべきだ。

規制委も電力会社の「性善説」を前提とせず、審査に改善の余地がないか検討することが必要だろう。

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