ニュース
子宮頸がんの早期発見へ
党女性委などのオンライン勉強会から<講演要旨>
日本産科婦人科学会前理事長・九州大学医学部教授 加藤聖子氏
公明党の女性委員会(委員長=竹谷とし子代表代行)と医療制度委員会(同=秋野公造参院議員)は昨年12月、オンライン勉強会を開き、子宮頸がんの主な原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を調べる「HPV検査単独法」の現状などについて、公益社団法人「日本産科婦人科学会」前理事長で、九州大学医学部の加藤聖子教授から講演を聴きました。その要旨を紹介します。
約8割が生涯に一度は感染
日本では毎年、約1万人の女性が子宮頸がんを発症し、約2900人が亡くなっています。近年、特に20~30歳代での罹患率・死亡率の上昇が深刻な問題となっています。35歳から45歳の子育て世代に患者が多いことから、このがんは「マザーキラー」とも呼ばれています。
最大の特徴は、ほとんどの子宮頸がんの原因がHPVの感染であるとはっきり分かっていることです。約8割の女性が生涯のうち一度は感染しますが、その多くは免疫によって自然に排除されます。しかし、感染が持続した一部が数年を経てがん化します。つまり、「予防」と「早期発見」によって、命を救うことができるがんなのです。
予防の柱となるHPVワクチンは、2013年の定期接種化直後に積極的勧奨が差し控えられ、約8年間にわたって接種率が激減する「空白の期間」が生じました。22年に勧奨が再開され、現在はワクチンの定期接種や、未接種世代への「キャッチアップ接種」が行われています。スウェーデンのデータでは、17歳未満で接種した場合、がんの罹患リスクが88%低下することが示されています。
健常者対象の対策型検診で 新たな「HPV検査」導入を
■新たな検査法のメリット
続いて、命を救うためにできるのが「早期発見」です。自治体が健常者を対象とし、無症状を原則とする「対策型検診」(住民検診など)を行っていますが、子宮がん検診として主流なのは2年に1回の「細胞診」です。これは細胞の異常を調べる従来の検査方法ですが、政府は新たな選択肢として「HPV検査単独法」を推奨しています。この手法には主に次のメリットがあります。
①高い発見精度
従来の細胞診と比較して、感度(病変を見つける力)が非常に高いのが特徴です。細胞診が65.8%の感度であるのに対し、HPV検査は93.3%と報告されています。これにより、高度異形成・上皮内がんをより確実に見つけることが可能です。
②受診間隔の延長
HPV検査で陰性だった場合、その後しばらくの間は、がんになるリスクが極めて低いことが科学的に示されています。そのため、従来の細胞診は「2年に1回」の受診が必要なのに対し、HPV検査は陰性であれば「5年に1回」で済みます。
③受診者の負担軽減
HPV陽性の場合には、「LBC(液状化細胞診)」といって、HPV検査の時に採取した同じ検体を専用の液体に保存して、すすいだ後に細胞診をします。同じ検体を用いますから再来院の必要はありません。
■導入への課題
一方、厚生労働省の調査によると、HPV検査の導入は全国1741自治体のうち、4自治体にとどまっています(導入予定の自治体は50超)。その要因として「精度の高い管理体制の構築と維持」が挙げられます。
特に、HPV陽性かつ細胞診が陰性だった場合、1年後の再検査を確実に受診させる管理体制が必要です。ただ、住民の転出入などの移動がある中で、長期的に追跡するデータベースの整備は自治体にとって大きな負担です。
また、HPV検査では、陽性時に同じ検体で細胞診を行うためにLBCシステムを整える必要がありますが、導入には多額の費用がかかるため、多くの医療機関や自治体で整備が遅れています。
政府はシステム改修費を予算計上していますが、これを自治体数で割ると1件当たり数十万円にしかならず、実際の改修費用を賄うには到底足りないのが実情です。
■公明党への期待
自治体任せにするのではなく、国による強力な支援が必要です。具体的には、精度管理のためのシステム構築費用やデータベース整備への補助、専門家による助言体制の確立などが不可欠です。
女性の命と健康を守るため、科学的根拠に基づいたHPV検査を全国で円滑に導入できるよう、公明党のネットワークを生かした政策提言に期待しています。
イチオシ動画ご案内
“幻”の公明議員が登場
池坊氏、当時の裏側を激白
“幻”の公明党議員、元文部科学副大臣・池坊保子氏が登場! 非・創価学会員がなぜ、公明党の議員になったのかなど、当時の裏側を激白します。内部を知るからこそ語れる、公明党のリアル。ぜひご覧ください!(約21分)










