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コラム「北斗七星」
昨年も長距離電車に何度か乗ったが、トイレがあるのは当たり前。車内トイレが日本で初めて製造されたのは、150年前の1876年と知り、『トイレと鉄道』(鼠入昌史著)をひもといた◆最初の車内トイレは明治天皇が乗られる「お召し列車」に取り付けられた。その後、一般の列車への設置も進むが、長い間、汚物は線路にたれ流しだった◆1951年に発表された、徳島大学の岡芳包教授の指導による実験では、列車から放出される汚物に見立てた赤インクを便器から流すと、インクは線路周辺に幅広く飛散し、トンネルでは窓より上まで付着した◆国鉄(JRの前身)でトイレが設置されていた1万8000両のほとんどがたれ流し(68年時点)。求められるのは、水道が通っていない車両の狭いスペースに設置する、汚物をためられる水洗トイレ。その開発・普及には多くの困難が。ようやく日本で“たれ流し”列車が姿を消したのは2001年度末のこと◆同著では、車内トイレは「なくてはならないインフラ」とし、これまでの関係者の悪戦苦闘が詳述されている。場面は異なるが、おととしの正月、能登地震で断水している被災地へのトイレトレーラーの配備などに奮闘する公明党議員を思い出した。(三)









